「進撃の巨人」の微妙な画力と先行き真っ暗な絶望展開がスゴい

累計発行部数4000万部を超える大人気マンガ「進撃の巨人」は、強大な力を持つ巨人と人類の戦いを描くファンタジーバトルマンガ。来年には実写映画化も予定されており、今やその人気は社会現象になりつつあります。しかも、作者である諫山創氏は、これがデビュー第1作目だというのだから驚きです。

しかし、作品が人気になってから連載を追い始めた方の中には、「実は物語の序盤を読んだことがない」という方も意外と多いと聞きます。そんな方は「進撃の巨人」の第1話を読むと少し驚くかもしれません。

と言うのも、先ほど前述したようにこの作品は作者にとってのデビュー1作目。つまり、第1話の画力や構図はかなり荒いわけです(ファンのみなさん、怒らないでください)。

特にキャラクーの描き分けは苦手だったようで、「あれ? コイツとコイツ同じ顔だけど……?」なんて場面も散見します(ホントに怒らないでください)。

しかし、そんな微妙な画力を気にさせないほどの圧倒的なストーリー構成力で、読者をグイグイと作品の世界に引きずり込む作者の才能は間違いなく本物。しかも第1巻の最後は、主人公のエレンが巨人に食べられて終わるという衝撃的すぎる展開なので、読み始めたら最後、先が気になって仕方ありません!
 

十種競技マンガ「デカスロン」の躍動感あり過ぎな構図がスゴい

数ある陸上競技の中でも、十種競技というマイナーどころに焦点を当てたスポーツマンガ「デカスロン」をご存じでしょうか? テレビアニメ化もされた大ヒット作「へうげもの」でおなじみの作者・山田芳裕氏が1999年まで連載した同作は、その荒削りな絵柄と躍動感あふれる独特の構図で話題を呼びました。

天性の運動神経を持つ主人公・風見万吉が日本選手権に出場している場面から始まる第1話では、広角レンズで撮影した写真のように疾走感のある絵が次々に登場。

これまでのスポーツマンガの常識を覆すようなその力強い構図は読者に受け、十種競技のマイナーさと相まって一躍人気作品となりました。


後にヒットするマンガの多くは、第1話ですでにその片鱗を見せているものです。みなさんも大好きなマンガの第1話を読み返して、作品の意外な一面を発見してみてください。

かわいいグッズやシュールなキャラクターに目がないフリーランスライター。ご当地キャラと出会うための全国行脚を生き甲斐としており、特に新参ゆるキャラの登場には高校野球のスカウトマン並みに目を光らせている。最近の連絡手段はもっぱらLINE一択、ショップでかわいいクリエイターズスタンプを発掘するのが日々の楽しみです。