連載マンガの第1話は、話題性を狙ってインパクトの大きな話になることが多いもの。中には「そんなに風呂敷広げちゃって大丈夫?」と読者をヒヤヒヤさせるものや、主人公のキャラクターが定まっていないものも少なくありません。そこで今回は、「これはどうしても続きが読みたくなる!」と思わせる、“スゴい”第1話を紹介していきます。
 

「寄生獣」のグロ過ぎる捕食シーンがスゴい

人間に寄生する謎の生物「パラサイト」と、人類の対立を描くSFコミック「寄生獣」。1990年から1995年にかけて連載されたこの作品は、単行本の累計発行部数が1100万部を超える大人気作品です。

今年にはアニメ放送と映画化が予定されていることもあり、現在その人気は再燃中ですが、軽い気持ちで単行本の第1話を読むと度肝を抜かれる人は少なくないでしょう。

と言うのも、この作品では人類に寄生した「パラサイト」が人間を捕食する場面がとてもグロテスクに描かれているのです。

第1話の最後のページは、「パラサイト」によって首ごとかぶりつかれた被害者の無惨な姿で締めくくられており、読者の恐怖を煽ります。

このグロテスクな描写こそが、寄生獣の魅力でもあるのですが、さすがにアニメや映画で完全に再現するのは難しそうですね……(笑)。
 

大御所作家を名指しで批評! 「アオイホノオ」主人公のビックマウスがスゴい

芸大生の主人公「焔 燃(ホノオ モユル)」がプロのマンガ家を夢見て奮闘する様を描いたコメディー作品「アオイホノオ」。1980年代初頭を舞台にしたこのマンガは、作者である島本和彦氏の若かりしころをモチーフとした自伝的作品です。

「この物語はフィクションである」というおなじみの文言から始まる第1話の内容は、とてもフィクションとは思えない描写のオンパレード。

自意識過剰な主人公が、いきなり大御所漫画家のあだち充を辛口で批評したかと思えば、高橋留美子に対して「俺だけは認めてやろう!! ファンレターでも出すかな!!」と過激な迷言を連発し出すのだから驚きです。

読者はページをめくりながら、「こんなこと言って怒られないのか? というかこれは作者の本音じゃないのか?」とヒヤヒヤさせられっぱなしです(笑)。

しかも主人公は、偉そうなことを言いながらいつまで経ってもなかなか漫画を書かず、第1巻はほとんどペンを持たずに終わります。果たして主人公はプロのマンガ家になれるのか、そもそも漫画を描く気があるのか……いろいろな意味で、この先の展開がとても気になる第1話ですね(笑)。