西川浩幸、渡邊安理  撮影:源 賀津己 西川浩幸、渡邊安理  撮影:源 賀津己

来年、創立30周年を迎える人気劇団・演劇集団キャラメルボックス。モットーである「人が人を想う気持ち」を描いたエンターテインメント・ファンタジー作品でファンを魅了し、年間5公演以上の公演を毎年上演している。そのキャラメルボックスが11・12月に人気作『ブリザード・ミュージック』を13年ぶりに再演する。劇団所属の俳優である西川浩幸と渡邊安理に、この作品にかける想いを訊いた。

キャラメルボックス『ブリザード・ミュージック』チケット情報

本作は1991年の初演以降4度目の公演となり、初演から一貫して西川が主演を務めている。宮沢賢治の未発表童話『ペンネンノルデの伝記』をめぐり、90歳の老人・梅原清吉やその家族、若き舞台俳優などが繰り広げる、クリスマスにぴったりなハートウォーミングな一作として人気を博した。

ヒロインのミハル役を担う渡邊がキャラメルボックスへ入団したのは2004年。当人は「3度目の上演(2001年)を客席から観ていたので、自分が出演すること自体、不思議な感じがします」と憧れの思いを口にする。看板俳優の西川は「劇団の基本に『ブリザード・ミュージック』の世界観があり、そこから色んなものが派生している印象です。キャラメルボックスにとっては名刺みたいもの」と捉えた。取り組み方も様々で、渡邊が「西川さんと私は20歳の年の差があり、尊敬の念は絶対に捨てられないけれど、そこに甘え過ぎない関係を築きたい」と決意表明をすれば、西川は「創作の過程で相当苦しむと思いますが、苦しめば苦しむほど、より大きなものが返ってくる作品」と劇団を象徴する物語に多大な信頼を寄せる。

「とても好きな作品なので、私自身、非常に楽しみにしています。お客様に心から楽しんで頂けるよう、大切に作っていきたいです」(渡邊)「この『ブリザード・ミュージック』で、キャラメルボックスの底力をお見せします」(西川)と抱負を語るふたり。相当の覚悟が感じとれる発言は、真摯な創作活動を続ける劇団の姿勢そのものだ。

『ブリザード・ミュージック』は11月22日(土)から27日(木)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場、12月5日(金)から25日(木)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。また、外部作家による書き下ろし新作『太陽の棘 彼はなぜ彼女を残して旅立ったのだろう』が、12月10日(水)から24日(水)までサンシャイン劇場にて同時上演される。チケットは共に発売中。

なお、インタビューの全文はチケットぴあサイトに掲載。

取材・文:園田喬し