業界2番手・優待でも人気のビックカメラの決算月は8月(写真は3月にリニューアルしたビックカメラ藤沢店)

【不定期連載・家電量販店白書~株主優待】 国内株式市場に上場している主要家電量販店について、子会社・グループ会社を含め、1社ごとに株主優待制度の詳細を取り上げ、そこから今後の各社の戦略を読み解いてみたい。第1回のヤマダ電機、第2回の上新電機、第3回のエディオンに続き、今回はビックカメラを取り上げる。なお、ビックカメラグループのコジマ、日本BS放送も上場している。

2012年、コジマを買収して、業界2番手に浮上したビックカメラグループの主力企業、ビックカメラの株主優待の内容は、「100株以上500株未満:買物優待券1000円1枚(8月末)、2枚(2月末)」「500株以上1000株未満:買物優待券1000円2枚(8月末)、3枚(2月末)」「1000株以上1万株未満:買物優待券1000円5枚(8月末・2月末)」など。さらに、8月は、1年以上2年未満継続保有(株主名簿に連続3回以上5回未満記載)の株主には1枚、2年以上(連続5回以上記載)の株主には2枚、買物優待券を追加する。

決算日は8月31日で、株主優待の権利確定日は8月末と2月末。買物優待券の有効期限は半年と短いが、ビックカメラ、ソフマップ、コジマの店舗に加え、「ビックカメラ.com」や「ソフマップ・ドットコム」「楽天ビック」などのオンラインショップでも利用できるので、使い道は広い。第1回で取り上げたヤマダ電機同様、長期保有すると、実質利回りが良くなる優待銘柄として知られている。

ビックカメラは、直近の2017年8月期の決算結果が示す通り、伸びている非家電分野をさらに伸ばすべく、17年11月に、初の玩具専門店「ビックトイズ」、女子中高生・女子大学生と訪日外国人観光客(インバウンド)をターゲットに据えた小型店「ビックカメラセレクト」といった新業態を展開。「ビックカメラセレクト」は、膨大な取扱商品から「セレクト」した、狭いターゲットに売れ筋商品だけを届けるという新しい試みだ。

今年3月にリニューアルしたビックカメラ藤沢店は、駅に直結するメインの2階入り口前に酒の専門店「ビック酒販」と薬・日用品を販売する「ビックドラッグ」を据え、女性や高齢者でも立ち寄りやすくした。酒・ドラッグの強化は、全店共通の方針という。

また4月には、家電分野を中心にオンラインとオフラインを連携した利便性の高いショッピング体験を目指し、ECモール「楽天市場」内に「ビックカメラ楽天市場店」を引き継いだ「楽天ビック」を新たに開設した。新業態のリアル店舗や新ECサイトなど、こうした「次」を見据えたさまざまな試みからは、業界のトレンドリーダーとしての存在感が強く感じられる。(BCN・嵯峨野 芙美)

■会社概要

<ビックカメラ>

決算月:8月

設立:1980年11月

上場:2006年8月(東証一部:3048)

本社:東京都豊島区高田3-23-23

従業員数:連携8288名

平均年齢:33.3歳

平均年収:451万円

企業サイトURL:http://www.biccamera.co.jp/

IR情報URL:https://www.biccamera.co.jp/ir/index.html