カプコンイチオシのモンスターハンター

千葉市の幕張メッセで開催している「東京ゲームショウ2014」。カプコンのブースでは、人気のアクションハンティングゲーム「モンスターハンター4G」の体験コーナーのスペースを広めに確保。カプコンの「モンハン」に対する力の入れようがうかがえる。ゲームショウ初日の9月18日には、「モンハン」シリーズの新たな戦略について、大々的な発表を行った。

●まもなく発売する「MH4G」 辻本プロデューサーに直撃取材

2004年に第一弾を発売したアクションハンティングゲーム「モンスターハンター」。その後、「モンスターハンターG」「モンスターハンター2nd」と、ナンバリングの後に機能を追加した「G版」を発売するかたちで、続々と新作を出し続けてきた。2013年9月には「モンスターハンター4(MH4)」を発売し、今年はさまざまな要素を追加した「モンスターハンター4G(MH4G)」を10月11日にリリースする。発売直前に、いち早く「MH4G」をプレーしようと、ブースには多くのファンが詰めかけた。

「モンハン」シリーズの初期から開発に携わってきた辻本良三プロデューサーは、「『MH4』を多くの人にプレーしてもらったが、もう少し『4』の世界を遊んでほしい、もう少し遊んでもらえるんじゃないか」と、「MH4」がもっと多くのユーザーに楽しんでもらえる要素を含んでいると確信していたと話す。

「『MH4』は多くのユーザーに遊んでもらい、いろいろな意見をもらった。これを吸い上げて、『MH4G』の開発に本格的に着手した。『MH4』のプレーヤーにもっと楽しさを提供したい、という気持ちが強かった」と、開発に着手した頃を振り返る。

「MH4G」に進化するにあたって、徹底的にブラッシュアップしたのがアクションだ。「モンハン」は、その名の通り「モンスター」を「狩る」、つまりモンスターとの駆け引きが重要な要素になる。そこで「MH4」で初めて導入したジャンプ攻撃をさらに磨き上げ、クエストに連れて行くことができる「オトモアイルー」にジャンプの踏み台スキルを加えた。これによって、ジャンプ攻撃がしやすくなり、空中を飛ぶモンスターを攻撃したり、モンスターの背に飛び乗ったりしやすくなった。また、味方をハンマーなどで飛ばして空中攻撃をする、といった連携も実現した。

辻本プロデューサーは「ジャンプ攻撃や、ジャンプしやすい高低差のある地形など、システムの構築は『MH4』でできあがっていたので、そこからいろいろなシチュエーションで活用できるように磨き上げた」と説明する。

もちろん、ユーザーを飽きさせないよう、ストーリー面も強化している。新拠点「ドンドルマ」を追加し、ここから新たなストーリーが広がる。また、ダウンロードコンテンツとしては、三つのストーリーからなる新しいタイプの「G級クエスト」を追加。一つのクエストをクリアすると、一つ目のクエストに登場したキャラクターが二つ目のクエストにも関連していくという。

このほか、新モンスターとして飛竜タイプの「セルレギオス」を追加。当然、空を飛ぶこともできるが、脅威なのは強靱な足だ。プレーヤーであるハンターをつかんだり、プレッシャーを与えたりと、なかなか手ごわい。さらにウロコを飛ばす特殊攻撃によって、裂傷状態になり、ダッシュ、回避、攻撃を行うと体力が削られてしまう。

辻本プロデューサーは「ベースの『MH4』を生かしながら、どれだけの要素を盛り込むのか、調整に苦労した」と話し、「『MH4』にちょっと要素を加えただけ、では決してない」と強調した。

最後に辻本プロデューサーは「『MH4』をプレーしたことのない人も、ぜひ『MH4G』の世界に飛び込んでほしい。『MH4』をやり込んだ先輩ハンターたちが、きっとやさしくリードしてくれる」とアピールした。

●「モンハン」がカードゲームに!? 2015年春に稼働開始

メインステージでは、「新プロジェクト」としてアミューズメントカードゲーム「モンスターハンタースピリッツ」の制作を発表。カプコンとマーベラスが共同で進めているという。稼働開始は2015年春の予定だ。

ステージでは、カプコンの辻本春弘社長が、「『モンスターハンター』をモチーフに、さらに幅広い年齢層、とくに低年齢層を取り込むための戦略的なプロジェクト」と、新プロジェクトの趣旨を説明した。

マーベラスの許田周一社長は「業務用で培った実績を生かして、『モンスターハンター』のファン層を拡大したい」と意気込みを語った。また、現在開発中のアミューズメントカードマシンの試作機も披露した。