マンガの作中で大人キャラ、クールなキャラの象徴ともいえる定番アイテム――“タバコ”。しかし単なる小道具にとどまらず、よく読んでみるとタバコが意外に重要なシーンを演出しているのをご存じだろうか? 今回はそんな“タバコが登場するシーンの法則”を調べてみた。
 

1 “信念を曲げない男”のシンボルとして

 

タバコをたしなむマンガ主人公として、まっさきに挙げられることも多い『ゴルゴ13』のゴルゴ13(デューク東郷)。世界のあらゆる国と地域で超人的な活躍をみせるマンガ史上最高のスナイパーだ。

愛煙家でもあるゴルゴは依頼者との待ち合わせ、狙撃ミッションの打ち合わせ中、移動中、また任務達成後の一服はもちろん、狙撃の現場にすらタバコを咥えながら登場するシーンが多数見られる。

 

気配を消さなければいけないスナイパーが煙や香りの出るタバコを愛用するのは合理的でないようにも思えるが、それもまた“ゴルゴの信念”の1つだとすれば矛盾はない。

彼が超A級プロフェッショナルとして「他人を背後に立たせない」「他人と握手をしない」「任務の秘密を漏らした者はたとえ依頼者でも抹殺する」など、厳しい信念(ルール)を設けているのはファンなら周知のとおり。

時にはこれが自分自身をピンチに追い込む原因になったりもするが、それでもゴルゴはかたくなに信念を貫き、最終的にはどんな任務だろうと達成してしまう。一見すると非合理的に思える“任務中にタバコを吸う”ことも、ゴルゴにとっては目的遂行のために欠かせないファクターなのかもしれないのだ。

 

ほかにも戦闘中にタバコを吸っているキャラクターは多く、古くは『コブラ』主人公のコブラから、近年なら『トライガン』のウルフウッド、『ONE PIECE』のサンジまで、いずれ劣らぬ千両役者ばかり。

それぞれ性格は異なるが、信念を決して曲げないという点は彼らすべてに共通している。そんな不屈のタフガイを演出するのに、タバコはとても適したアイテムと言えるだろう。