そして、私のオススメは以下。

★小川洋子「猫を抱いて象と歩く」

 

リトル・アリョーヒンという伝説のチェス・プレーヤーの人生を描いた作品。カラダが小さく、人前に出ることが苦手なアリョーヒン。彼はチェス盤の下にもぐり、テーブルの下から人形の手をあやつって駒を動かすんです。彼の動かす駒の動きは美しく、多くの人を魅了。しかし、人とふれあうことを避ける彼の人生は、切なく悲しくもある。おとぎ話のようなストーリー展開に、知らぬ間に涙があふれます。「博士の愛した数式」を書いた小川洋子さんの世界観が、チェスをテーマにさらにココロの奥深くにしみます。

 

★レイチェル・ジョイス「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」

 

65歳で定年を迎えたハロルドは、以前一緒に働いていた女性から余命わずかという手紙を受け取ります。返事を書いて励まそうとおもったハロルドおじさんですが、手紙を送るのではなく、彼女に会いに行くことを決意。ひとり徒歩でイギリスを縦断する旅に出ます。

ハロルドさんは、妻の小言にも文句を言わず、のんびり暮らしていたんですが、この旅をきっかけに妻との関係がぐらついてくるんですね。でも、ふたりの関係が崩れかけているのには別の理由があって、それはハロルドさんの旅とともに明らかになっていくんです。

夫婦の関係がこじれた理由。余命いくばくかの友達との再会。ラストに近づくにつれて、涙がとまらなくなります。これは本当に泣けますよ!

あー、これもまた夫婦ものだ! 恐るべし夫婦!

 

コミックは乙女ココロに刺さります!

さてさて、泣けるコミックも紹介しちゃいますよー!

★「自虐の詩」業田良家

 

ずっとずっと虐げられ、蔑まされて生きて来た主人公がつかんだ幸せ。

誰にも理解されなくても、お互いの気持ちがあればそれが本当の幸せだと感じることができます。
この作品の魅力は後半にこそあります。前半はただただ可哀想だった主人公ですが、その生い立ちが語られる後半を読み終えたころには「幸せ」について深く考えさせられる、感動の作品です。

と、プッシュしてくれた、むらかみ副部長。これは映画化もされた漫画ですね。いろんなレビューを読みましたが、これは誰もが泣けるって書いてますね。しかも上下巻を一気に読まないとこの作品の良さがわからないとも。単なる不幸もので片付けじゃいけない、深い作品ですね!

★「リバーズ・エッジ」岡崎京子

 

自分の現実には起こりにくい大なり小なりな事件。だから、そこに気持ちがリンクするわけじゃないんだけど、人間関係の小さな違和感、そこから生じる大きなズ レにときどきリンクし、うわーっと涙が出てしまいます。痛くて正直。だから傷も深い。最初のわんわん泣きからはもちろん減っていますが、いまでも年1くらいでは読み、涙を流しております。

何度でも泣ける!というこばなみ部長。私も岡崎京子ファンなので、この漫画は大好きです。川沿いに暮らす高校生の話なんですが、表面的に明るくしていても、中身はどろどろ。そのギャップの恐ろしさをゾクゾクとさせながら読ませるんですよね。

実はこの漫画、大切に保存していたのに、母に捨てられて私マジ泣きしました・・・。

★「瞬きもせず」紡木たく

 

「友達に借りてひさしぶりに読んで、泣いちゃいました。ホットロードよりも好き」

というのは、あり部員。紡木たくといえば「ホットロード」が有名だけど、この作品も10代の切ない女子の気持ちを描いていますね。淡い青春時代を思い出して、きゅんきゅんしながら泣いちゃいそう。

 

ほかにも部員さんからオススメコミックを教えてもらいました。