記憶を高めるレミニセンス効果とは

これを心理学では「レミニセンス現象」と呼んでいます。記憶というものは本来、時間とともに薄れていきます。しかし、覚えたてよりも一定時間経ってからの方がよく思い出せるというのが、このレミニセンス効果のすごい発見なのです。

ちなみに同博士が行った実験には、まだ続きがあります。というのも、ゲームの練習時間を朝9時ではなく、夜9時に60分間行ってもらうのです。そのあと7時間の睡眠を取って、翌朝7時にゲームをやってもらったところ、なんとスコアは約20%も上昇したのだそう。

この結果は普段の学習方法にも同じことが適用できそうですね。睡眠によるレミニセンス効果を最大限利用するために、暗記物は起床後の朝ではなく、睡眠直前の夜に行ってみて。睡眠時間を挟むことで一番効率よく覚えられるはずです。

 

一夜漬けをしてはいけない理由

あなたは夏休みの宿題を、毎日計画を立ててコツコツと勉強して終わらせましたか?それとも、集中して一気に片付けていましたか?言い換えれば、これらの学習方法は地道な努力タイプか、一夜漬けタイプに分けられますよね。

ニューヨーク大学のダヴィンチ博士らが行った研究でも、こんな実験結果が寄せられています。実験内容は22歳の男女16人を集めて、「魚=針」「星=時計」といった単語ペアを150個覚えてもらうというものです。

ひとつのグループは2日に分けて2回学習する「分散学習=地道な努力タイプ」、もうひとつのグループは1日にまとめて学習する「集中学習=一夜漬けタイプ」に分けて、それぞれの成績を観察してみました。

すると、成績はどちらも同じ結果だったそう。しかし、再度テストを行ったところ、集中学習を行ったグループの成績は前日の3分の1という結果に。一方、分散学習を行ったグループの成績は半分までに下がるに留まりました。