<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキ上尾店>半径5kmの商圏で固定客を確保 県内のシェアを上げる戦略店舗

2014.9.24 12:43配信

埼玉県上尾市のケーズデンキ上尾店は、県内のケーズデンキ店舗で売り場面積が2番目に大きい店舗だ。ケーズデンキが進めるドミナント戦略の一環で、今年7月10日にオープン。商圏を半径5km前後に絞り、大きな売り場を生かして、豊富な品揃えと体感コーナーの充実で、ケーズデンキにとって空白地帯だった上尾の市民を固定客として獲得していく。(取材・文/佐相彰彦)

ケーズデンキ上尾店

店舗データ

住所 埼玉県上尾市大字西門前字芝道252-1

オープン日 2014年7月10日

売り場面積 約6280m2

従業員数 約55人

●高所得で高い持ち家率 上位機種が売れる地域

22万の人口規模、世帯数が9万5000規模の上尾市。かつては畑作中心の農村だったことから、昔から住む地主が多く、世帯数全体の6割程度が持ち家で、所得は比較的高い。

家電量販店にとっては、白物家電などの上位機種が売れ、ほかの地域よりも一人あたりの単価が高くなることから、各社とも出店を強化している。ノジマはノジマ上尾店を閉店し、昨年9月14日、JR北上尾駅近くにあるショッピングモールのP・A・P・A上尾にノジマ上尾PAPA店をオープン。コジマは、昨年11月25日、コジマNEW上尾春日店をビックカメラとのコラボレーション店舗であるコジマ×ビックカメラ上尾春日店にリニューアルした。エディオンは、県内3店舗のうち、1店舗をエディオン西上尾店として出店している。またヤマダ電機は、上尾市を囲むように、蓮田市にテックランド蓮田店、北本市にテックランド北本店、久喜市にテックランド久喜店を出している。

ケーズデンキも、さいたま市に浦和原山店と大宮櫛引店、川越市に川越店、久喜市に菖蒲店など、上尾周辺に出店。各店舗とも堅実に成長していたが、上尾市民を吸引することはできていなかった。そこで、この有望な空白地帯を埋めるために、今年7月10日、ケーズデンキ上尾店をオープンした。

さまざまな地域の店舗経験をもつ矢ノ倉夏二店長は、「確かに、他地域の店舗に比べると客単価は倍」と、さっそく手応えを口にする。それを象徴するのが、オープン時によく売れた4Kテレビだ。「テレビ番組を見るだけでなく、デジタルカメラで撮影した画像を高画質の4Kテレビで鑑賞したいという理由で購入する方が多かった」という。

●本体の関連商品が充実 体感コーナーが人気

ケーズデンキ上尾店は、交通量の多い国道17号沿いにある。付近は、飲食店や紳士服店、中古車販売店など、郊外型の店舗が多く、上尾市民にとってショッピングエリアとなっている。こうした店舗が集中し、訪れる人が絶えない目立つ場所だからこそ、「住民の方々にアピールできる」と矢ノ倉店長はいう。

郊外店ということで、平日は周辺の住民が自転車で訪れるが、休日になると買い物ついでにクルマで立ち寄る人が多い。矢ノ倉店長は、「オープンセールのときは、『近くにケーズデンキがなくて、これまでは他市の店舗に行っていた』というケーズデンキを知っているお客様が多かったが、オープンセール後は、『ケーズデンキは初めて』というお客様が多い」と客層を説明する。

こうした初めてケーズデンキへ来店する人にアピールするために、品揃えで力を入れているのが、例えばデジタルカメラの三脚や交換レンズなどの関連商品だ。さらに、LED電球や電源タップなどは、ワゴンに乗せて通路で販売している。本体に関連する商品や消耗品などの充実によって、「気軽に商品を購入できることが、客単価の向上につながっている」という。

また、楽しさの演出がリピーターの確保につながるということで、体感コーナーを充実させた。「とくに、健康器具と理美容品の売り場にお客様が多く集まる」という。さらに、ふとんクリーナー「RAYCOP」、MTGの口元集中トレーニング機器「FACIAL FITNESS PAO」、シャープのお茶メーカー「ヘルシオお茶プレッソ」、ショップジャパンの本格腹筋マシン「ワンダーコア」など、話題の商品を豊富に揃えている。「このように、最新の商品、話題の商品を実際に使ってみることができる利便性が、来店につながっている」とのことだ。

オープンから約2か月が過ぎ、「まだ固定客を確保したとはいえない状況」(矢ノ倉店長)だが、気軽に来店できる環境と、ケーズデンキが得意とする親切でていねいな接客によって、着実に地域の固定客をつくっていくだろう。ケーズデンキ上尾店は、県内14店舗でケーズデンキのシェアを高めていくための空白地帯への出店であり、また高客単価店舗の成功事例をつくるトライアルでもある。矢ノ倉店長は、「すぐにシェアを伸ばすのは難しいが、地道にコツコツと取り組めば、必ず一定の地位を確保できる」と自信をみせる。競合店との間で価格競争を繰り広げることはせずに、「お客様との信頼関係で他店に負けない」という店舗を目指している。

●店長が語る人気の理由――矢ノ倉夏二 店長

千葉や茨城、群馬の店舗で販売業務に従事。埼玉のシェア拡大を図る戦略店舗でトップを任された。「経験してきたのは、すべてケーズデンキのファンが多い店舗ばかり。上尾市でもファンをつくっていく」と意気軒昂だ。

6000m2超の大型店舗ということで、「さまざまな売り場づくりに挑戦できる」こともやる気を高める。ケーズデンキは、品揃えや店内レイアウトは本部主導で進めているが、「お客様に『また来店したい』と思わせる店内の雰囲気をつくるのは現場のスタッフ」と、今は定評のある接客の強化に力を注いでいる。いかにしてファンを囲い込むのか。矢ノ倉店長の手腕に期待がかかる。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年9月15日付 vol.1546より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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