私は、芝居のときに、鼻水とかよだれとか出てもいいと思う人なんです。やっぱり”アイドルの舞台”っていう感じだったら、可愛くしてなきゃって思うから、鼻水はやばいし、劇場公演だったら拭きたいと思うけど…お芝居だったら伝えることに必死だから。

「わあ、アイツ鼻水出てる」って笑うお客さんがいたら、その人はお芝居を好きな人ではないと思ってるから、意識してなかったです。

ーー鬼気迫るあのシーンに、心を動かされた方も多かったのではと思います。

ありがとうございます。でも、今回は自分たちの楽曲を使って下さったのも大きかったんじゃないかなと思ってるんです。

劇中で歌う曲の他にも、背景で流れるオルゴールの曲までAKB48の曲で、自分たちに親しみのある曲がかかると、やっぱり感情のスイッチが入っちゃうんです。

とくにあの病院のシーンで、ヒロインの女の子をイメージした『ファースト・ラビット』という曲がかかると、もう相手役の寛子のことしか頭になくなっちゃうです。だから、BGMって本当に大切なんだなって、芝居をしていて思いました。

ーー病院でのシーン、またはお芝居をしている最中に、佐江ちゃん自身の昔のことが頭をよぎる瞬間はありましたか?

自分の昔がよぎることはありませんでした。でも、浦山実として挫折をした過去のことはちょっとよぎりました。

野球をやっていてヒジを痛めて、夢なんてあきらめて。野球以上に必死になれることなんてないと思っていたけど、吉永寛子がこんなにも自分を必死にならせてくれるものに知り合わせてくれた、と気付いた瞬間ですよね。

「俺の新しい夢は、選抜メンバーに入ることだ!」って、走っていくあのシーンは結構エネルギーを使いました。

ーーもちろん生の舞台も素晴らしいですが、それともまた違う、ライブビューイングならではの良さがあったように感じました。皆さんの舞台にかける思いもストレートに伝わってきました。

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