クリント・イーストウッド監督の最新作『ジャージー・ボーイズ』が27日(土)から公開になる。本作は、ブロードウェイでロングランを続けているミュージカルを題材にした作品で、イーストウッド監督は、基になった舞台には「得体の知れない面がある」と分析する。彼は本作のどこに魅了され、映画化を決意したのか? 10分を超えるロングインタビュー映像が公開になった。
本作は、ニュージャージーで育った若者たちが、音楽グループ“ザ・フォー・シーズンズ”を結成し、栄光と挫折を経験するヒューマンドラマで、実話が基になっている。
ミュージカルは、2006年のトニー賞でミュージカル作品賞を含む4部門を受賞するなど高い評価を獲得し、世界各国で上演されているが、イーストウッド監督は「大ヒットの理由を誰もはっきり説明できない」と語る。「なぜ今まで映画化されなかったのか、ずっと不思議だったが、ヒットの要因を特定できなかったせいだと思う」。しかし、監督は他の観客と同様に本作のストーリー、キャラクター、そして素晴らしい楽曲に魅了された。「ヒットの秘密は未解明だが、少なくとも私は舞台を見て楽しんだんだ。それなら映画化にトライしてみようと思った」。
そこでイーストウッド監督は舞台版のキャストをキャストの中心に据え、音楽シーンも吹き替えや事前録音することなく、すべて演技と同時に撮影した。しかし、監督は「この作品をミュージカルだと思っていない」と断言する。「作品のテーマはあくまで4人の男の物語で、たまたま彼らが音楽を選んだだけだ」。本作は実話を基にしたミュージカルでありながら、多くの映画ファンをうならせてきた過去のイーストウッド作品同様、深いドラマと観客を魅了する語りが存分に楽しめる作品になっている。
インタビュー映像では他にも監督が、“ザ・フォー・シーズンズ”のヴォーカル、フランキー・ヴァリに初めて会った時の話や、これまで愛聴してきた音楽について、本作の配役についてじっくりと語っている。
『ジャージー・ボーイズ』
9月27日(土) 新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー