左からエリック・マーティン、パット・トーピー、ポール・ギルバート 撮影:森田有爲 左からエリック・マーティン、パット・トーピー、ポール・ギルバート 撮影:森田有爲

11月にジャパンツアーを行なうMR.BIGが来日。ツアーに賭ける想いを語った。

インタビューに応えたのは、Voのエリック・マーティン、Gのポール・ギルバート、Drのパット・トーピーの3人。(Baのビリー・シーンは翌日に来日予定のため欠席)。今回のツアーは約4年ぶりのアルバム『・・・The Stories We Could Tell』を携えたワールド・ツアーの一環として開催。前回の来日公演は2011年、東日本大震災直後で公演キャンセルが相次ぐ中、決行された。彼らにその時の事について聞くと、ポールは「まずは安全性、それは”自分たちの”ではなく”お客さん”の安全が確保できるかをプロモーターとたくさん相談をした。仙台公演だけは実施不可能だったけど、他は大丈夫だよと。最初、果たしてロックを聴く雰囲気になってるかどうか懸念もあったけど、実際来てみたらすごく楽しんでた様子だった。ミート&グリートのときに語られる被害の状況はすごく切実であまりにリアルでグッときちゃったりしたけど、それを通してよりファンと近づけた気がする」と印象を語った。

かねてから”第二の故郷”と公言するほど、日本に親近感を感じているという彼ら。エリックは「最初はニュース映像で観て、あまりの被害に自分たちもショックを受けた。僕はその気持ちを伝えたくて『THE WORLD IS ON THE WAY』という曲を作ったけれど、あの時はあまりの力のなさにどうすればいいだろうと思った。”きっと全世界がみんなあなたたちのことを心配してるよ”という気持ちで曲を書いたけど、実際に一番強かったのは日本人で。そのあとの団結力、絆に脱帽だった。僕らの日本に対する距離感は、もうこれ以上近づけないくらい近いよ(笑)。元々リスペクトと愛は持っていたので、それがどんどん大きくなっている感じかな」と話した。

今回のワールド・ツアーでは、今年の7月にパーキンソン病と診断されたパットが、ツアーに同行するものの、”通常の演奏”を行なうのは難しい旨が発表されている。ツアーについてパットは「バンドの今の考え方としては、計画すべきところはするけど、あとは流れに任せるという感じ。自分たちが流れに任せて楽しんでいるのを観て、きっとファンが一番喜んでくれると思う。今はそういう精神状態にある」と語ると、エリックが「正直な話、2か月くらい前は本当にツアーができるのかな?って、黒い雲がバンドの上に被さってた。アルバムは最高の出来だと思う。でも果たしてそれに伴うツアーがどういう形で実現できるかみえなかった。でも(横にいるパットをみながら)、パットのこの素晴らしい姿をみたら、この状態自体が最大のサプライズというか、こんな嬉しい驚きはない。まだリハーサルも始まってないので詳しくは言えないけど、本当にいいツアーを期待していただいて構わないよ」と日本のファンへメッセージを送った。

ツアーは11月5日(水)北海道・ニトリ文化ホールよりスタート。チケットは発売中。
(取材・文/浅野保志、小森崇史)

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