ウィーン・フィル新旧幹部 写真左よりディーター・フルーリー、クレメンス・ヘルスベルク、アンドレアス・グロースバウアー、ハラルド・クルンペック ウィーン・フィル新旧幹部 写真左よりディーター・フルーリー、クレメンス・ヘルスベルク、アンドレアス・グロースバウアー、ハラルド・クルンペック

現在来日ツアーを開催中のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の新幹部による記者会見が、9月24日に東京都内で行われた。

「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」の公演情報

今年9月より幹部を刷新したウィーン・フィル。17年間にわたって楽団長を務めたクレメンス・ヘルスベルク(第1ヴァイオリン奏者)と9年間事務局長を務めたディーター・フルーリー(首席フルート奏者)が同職を退任し、新楽団長にはアンドレアス・グロースバウアー(第1ヴァイオリン奏者)、新事務局長にはハラルド・クルンペック(第2ヴァイオリン奏者)が就任した。

世界最高峰のオーケストラを長年にわたり牽引してきた前楽団長ヘルスベルク、前事務局長フリーリーは共に1952年生まれの現在62歳。「私たちが楽団にいる間に、次の世代に引き継ぎたかったのです。またウィーン・フィルでの最後の3年(同団の定年は65歳)は、ひとりの音楽家として迎えたかったことも大きいですね」と勇退の理由を語った。

新楽団長のグロースバウアーは1974年生まれ。ウィーン・フィル入団は2008年で在籍6年。「最も大切なのはクオリティとエモーション。ウィーン・フィルは音楽で人々の心を繋ぐマイスターだと確信しています。近年オーケストラの世代交代が進んでいるが、私たちも世代間、そして伝統との架け橋になれるように努めたいと思っています」と意義込みを語った。

新事務局長のクルンペックは1986年生まれ。ウィーン・フィル入団は1996年。「偉大な前任者たちの業績を受け継いで行くこと。そして、ウィーン・フィルのサウンドを守っていくことが重要だと考えています。また、これまで築き上げてきたパートナーシップの継続も大切。特に1958年の初来日から続いている日本との関係には、いつも深い友情を感じています。2015年には、指揮にクリストフ・エッシェンバッハを迎えて、東京、名古屋、大阪で全6公演を行う予定ですし、サントリーホールが30周年を迎える2016年には、何か特別なことが出来たらと考えています」と今後のプロジェクトについても明かした。