フェスティバル・ミューズに就任した中谷美紀と吉田大八監督

第27回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が30日に東京・港区の虎ノ門ヒルズで行われ、コンペティション部門に出品される15タイトルが発表された。同日、現在公開中のディズニー大ヒット作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が、コンペティション国際審査委員長に就任したことが明らかになった。同映画祭では史上3番目の若さ、さらにハリウッド大作の監督という異例の大抜てき。期間中の発言や審査結果に注目が集まりそうだ。

第27回東京国際映画祭・その他の写真

本年度のコンペティション部門には、92の国と地域からエントリーされた計1373作品のうち、厳正な予備審査を経た15本が出品。今回から名称が変更された最高賞・東京グランプリ(旧東京サクラグランプリ)を争うことになった。審査委員にはイ・ジェハン(映画監督)、ロバート・ルケティック(映画監督)、エリック・クー(映画監督)、デビー・マクウィリアムズ(キャスティング・ディレクター)、品川ヒロシ(映画監督/芸人)というバラエティ豊かな面々が勢ぞろいする。

会見には、日本映画で唯一のコンペ部門出品を果たした『紙の月』を手がけた吉田大八監督と、今年のフェスティバル・ミューズに就任した女優の中谷美紀らが駆けつけ、東京国際映画祭という晴れ舞台への思いを語った。

“日本代表”の吉田監督は「勝負ごとは嫌いじゃないので、存分に楽しめそう」と、前作『桐島、部活やめるってよ』に続く快進撃に期待を寄せる。『紙の月』は宮沢りえが7年ぶりに映画主演を果たし、平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロインを熱演するサスペンスで、「女優として内面にもっているものを、この映画のためにすべて出し切ってくれた」(吉田監督)と宮沢の女優魂に感服した様子。一方、中谷は「映画人であり、いち映画ファン。映画祭を通して、国境を超えた交流が深まることを心から祈っている」と抱負を語った。

第27回東京国際映画祭
10月23日(木)から31日(金)まで
会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか

【コンペティション部門】
『1001グラム』ベント・ハーメル監督
『来るべき日々』ロマン・グーピル監督
『マルセイユ・コネクション』セドリック・ジメネス監督
『神様なんかくそくらえ』ジョシュア・サフディ監督、ベニー・サフディ監督
『アイス・フォレスト』クラウディオ・ノーチェ監督
『メルボルン』ニマ・ジャウィディ監督
『ザ・レッスン 授業の代償』クリスティナ・グロゼヴァ監督、ペタル・ヴァルチャノフ監督
『マイティ・エンジェル』ヴォイテク・スマルゾフスキ監督
『ロス・ホンゴス』オスカル・ルイス・ナビア監督
『ナバット』エルチン・ムサオグル監督
『紙の月』吉田大八監督
『壊れた心』ケビン・デ・ラ・クルス監督
『破裂するドリアンの河の記憶』エドモンド・ヨウ監督
『草原の実験』アレクサンドル・コット監督
『遥かなる家』リー・ルイジン監督

取材・文・写真:内田 涼