自分っていう人間を全部見せた上で、興味を持ってもらえるかどうか

ぴあのゆるキャラ「くまっぴー」「ぴっけろ」と

――せっかくの機会ですので、フジテレビの『バイキング』が10月以降も続くことについても胸中をお訊きしたいのですが。

小峠「なんとも思わないです(笑)。ただ、『メガネびいき』(TBSラジオ『JUNK おぎやはぎのメガネびいき』)での発言の一部が切り取られて、ニュースになったり、ああいう載せ方は勘弁して欲しいですね。ただの感じの悪い奴になりますから」

――『ウレぴあ総研』が訊くのも変な話ですが、そうしたネットニュースやツイッター炎上は、お笑いをやる上で以前はなかったやりにくさですよね。

小峠「やりにくさはありますよ。一旦、“また面倒なことにならないかな”っていうフィルターは通しますよね。それって、面白いか面白くないかのフィルターじゃないじゃないから、余計なんですよね。当然、そのフィルターが入ってる分、発言が遅れるわけですから」

西村「すぐ広がっちゃうんで、その広がり方が怖いですね」

――それ以外に、お笑いを始めた当初と現在を比較して、お笑い界、テレビ界での変化は感じますか?

小峠「その人間が面白いかどうかっていうのが、重要視されているような気がしますね。面白いこと、気の利いたセリフが言えたら一番いいんですけども、言えることがすべてではなくて、ズレたことを言っても、その人間のキャラに合ってれば、面白いとなってきたように感じます。

僕がお笑いを始めた頃の先輩方っていうのは、もっとピリピリした世界だったと思うんです。今って、そんなにピリピリしてないですもんね。みんな仲いいですし、事務所の垣根もほとんどない。そういう穏やかな環境のなかでお笑いの世界が進んでるから、あんまり芯食ってなくても、キャラがあったら、“こいつおもしれえなあ”“もっとつついてみようか”みたいになってる感じがしますね」

――お笑いに限らず、テレビに出てる人全般ってことですか?

小峠「そうですね。もしかしたら昔からそうで、僕がテレビに出させてもらうようになって、気づいてなかっただけかもしれないですけど。全部自分をさらけ出して、それで判断してもらう。面白い面白くないもそうですけど、自分っていう人間を全部見せた上で、興味を持ってもらえるかどうかっていうことかなって思いますね」

――貴重なお話、ありがとうございました。最後にDVDのPRも込めて、読者へメッセージをお願いします。

小峠「はい。基本、日常を切り取ったコントなので、それほど“ありえねーよ”とか拒否反応はなく見れると思いますね。みなさんのまわりのある日常で、こんな奴おるな、こういう出来事ってあるな……というところで作ってますので。尺も1本5分前後ですので、面白くなくても5分我慢すれば、次のコントになりますから、そういう意味でも見やすいと思います」

西村「子供からお年寄りまで、幅広い人に楽しんでもらえるコントです。特典映像では、いい歳したおじさんがはしゃいでるっていう貴重なシーンも見れますよ」

 

バイきんぐ
ライブDVD『バイきんぐ 単独ライブ 「Jack」』
4,104円 発売中

最新情報はバイきんぐ公式サイトで更新中

 

 

 

さとう・ろまん 福島県出身。お笑い、バラエティを軸にテレビ、ラジオ、映画、ゲーム、アイドルなどについて執筆中。主な仕事に『タモリ読本』&『ラジオ読本』(洋泉社/インタビュー、寄稿)、『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』&『さまぁ~ずの悲しい俳句』(宝島社/インタビュー)、など。現在、『月刊コミックゼノン』での連載「ルミネtheよしもと楽屋秘話」、『月刊川柳マガジン』での連載「寺田体育の日・川柳的50歳のハローワーク」の各構成を担当。