コンシューマー事業グループ 李昌竹 端末事業担当バイスプレジデント

【上海発】中国・上海で開催されているモバイル通信関連展示会「Mobile World Congress Shanghai 2018」(MWC上海2018)で、Huawei Technologiesの端末事業担当バイスプレジデント、李昌竹(Li Changzhu)氏が講演し、今年3月末に発売した「HUAWEI P20」シリーズの好調をアピールするとともに、同社が技術開発で注力する要点と戦略を説明した。

同社は3月27日に欧州でHUAWEI P20を発売したが、李氏によるとそれから約2カ月半となる今月半ば、グローバルでのシリーズ販売が600万台を突破したという。李氏は、ライカと共同開発したカメラモジュール、競合製品よりも大型のイメージセンサなど、カメラスペックの高さを説明したが、それに加えて、使いやすさを高めることでより幅広いユーザーにハイエンド機を届けることができたのが成功の要因だと強調した。

「ファーウェイの製品は高機能だが、その分、操作が複雑なイメージがあり、とくに女性にはあまり親近感をもたれていなかった。UIを簡素化し、より気楽で使いやすくなったことで、幅広く高い評価を得られるようになった」「独自開発のチップで、スマートフォンでのAI処理を高速化した。写真を撮るとき、ユーザーはシャッターを押すだけでいい。あとはAIにお任せで、最高の写真が撮れる」(李氏)

中国では、ソーシャルコマースアプリ「小紅書」で、P20やP20 Proを使って撮影した写真や、両機種へのポジティブな評価が増加しているという。小紅書は、写真を中心としたSNSとECを組み合わせたサービスで、“中国版Instagram”と呼ばれることもある。中国の若い女性の購買行動に大きな影響を与えるサイトとして、世界のマーケティング業界から注目されている。李氏は、ほとんどの利用者が女性の小紅書で高い評価を得ていることを、同社ユーザー層拡大の証拠として引き合いに出した。

また、モバイルゲームの市場が成長を続けている一方、高いグラフィック能力を求めるタイトルが増えていることから、グラフィック処理のパフォーマンスを高めていく必要があると指摘。同社では、新技術「GPU Turbo」を開発し、今後のアップデートで複数の機種に搭載していくという。

GPU Turboの技術的な詳細についてはまだ明らかにされていないが、李氏は「グラフィックのフレームワークを刷新し、描画のボトルネックを解消する」技術であると説明。GPU Turboを適用することでグラフィック処理の効率が改善され、描画能力を60%向上させると同時に、電力消費を30%削減することが可能としている。李氏は「1000元(約1万7000円)前後の安い端末でも、ビッグタイトルのゲームに参加できるようになる」と述べ、GPU Turboのリリースによって、最新ゲームをプレイしたいが、予算が限られている若年層をより積極的に取り込んでいく方針を示した。

そのほか、同社は来年にも5G通信に対応したスマートフォンを発売するとしている。李氏によると、5Gでは現在のスマートフォンに比べ「5倍の処理能力、2.5倍の電力」が必要となり、このままでは物理的な大きさも1.3倍ほどになってしまうため、この壁を越えるための技術開発を行っているという。

マーケティング面では、昨年グローバル市場で行った写真コンテストを今年も開催し、同社のスマートフォンで芸術性の高い作品を制作できることをアピールする。毎年パリで開催されているアートフェア「Paris Photo」に今年も出展するほか、歴史のあるカメラ展示会として知られる、ドイツ・ケルンで開催される「Photokina」にも出展する。

李氏は「写真を撮るためには、スマートフォンが最も重要なツールであると答えるユーザーが増えている。だから、われわれは最高の道具を提供する」と述べ、スマートフォン市場での優位性を高めるためには、最高のカメラ性能の実現が今後も重要になるとの見方を示した(BCN・日高 彰)

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