<地域No.1店舗の売れる秘訣・ドスパラ町田店>キーワードは「会話」 商店街出店を生かした店内誘導

2014.10.8 11:17配信

東京・町田市の町田駅から徒歩5分ほどの商店街、絹の道中央通りにドスパラ町田店がある。多くの買い物客で賑わう商店街のなかという立地を生かして、ドスパラ町田店がお客様を獲得するために活用しているのは、「会話」だ。買い物客や同じ商店街の店とのコミュニケーションを深めることで、新規客の吸引に成功している。(取材・文/佐相彰彦)

ドスパラ町田店

店舗データ

住所 東京都町田市原町田6-7-8

  ティップス町田ビル1階

オープン日 2002年5月24日

売り場面積 約70m2

従業員数 4人

●多くの人で賑わう商店街 駅前のメインストリートに出店

JRと小田急電鉄で1日平均の乗降客が40万人を超える町田駅。駅前には、小田急百貨店町田店をはじめ、町田東急ツインズ、町田マルイ、LUMINE町田店などの複合商業施設が建ち並んでいる。駅周辺の商店街にも飲食店などの小さな店舗が軒を連ね、毎日多くの買い物客で賑わっている。

その商店街の一つ、絹の道中央通りに出店しているのがドスパラ町田店だ。スポーツクラブのティップネス町田やゴルフ教室のカワナミゴルフスクール パーズ町田、飲食店やカラオケボックスなどが入るティップス町田ビルの1階に店を構える。

町田駅周辺の家電量販店は、駅南口近くにヨドバシカメラマルチメディア町田、駅から徒歩1分ほどの西友町田店にパソコン専門店のソフマップ町田店がテナント出店している。両店とも駅前の好立地で、大型店舗のマルチメディア町田は広い売り場面積を生かしてデジタルカメラを中心とした豊富な品揃え、ソフマップ町田店は中古パソコンを中心としたデジタル機器の買い取り・販売を強みに、多くのお客様を確保する。

一方、ドスパラ町田店は売り場面積が約70m2と、全国のドスパラのなかで最も小さな店舗だ。さらに、マルチメディア町田やソフマップ町田店よりも駅から遠い。しかも、郊外ではヤマダ電機テックランド町田本店、ケーズデンキ横浜町田インター店があって、近くの住民を常連として確保している。町田市ではドスパラ町田店に分が悪いようにみえるが、植松由光店長は、「活気溢れる商店街に出店していることと、業種は違うが同じ商店街の近隣店舗と協力して、通行人の来店を促している。競合店には負けない」と、力強く語る。

●上海問屋の商品で来店促進 パソコンの悩みを解決する接客

ドスパラ町田店の両隣は、比較的高齢のお客様が多い老舗乾物屋の川原商店と、高校生などの若者が多い靴下専門店のCOPO町田店。「両隣の店に来たお客様がのぞいてくれることを想定して、店頭のワゴンではあまりパソコンと関係のない商品を販売している」と、植松店長は説明する。その商品とは、ドスパラが運営する通販サイト、上海問屋で販売するデジタル雑貨だ。昨年夏に取扱いを開始し、パソコンにくわしくない人でも気軽に店に入ってもらえるように、店内でスマートフォン用のケースやmicroUSBケーブル、iPhone専用ライトニングケーブルなどを展示したところ、「学生が興味を示した」(植松店長)。そこで、注目アイテムとしてワゴンに入れ、店頭で販売するようにした。最近は「乾電池がコンスタントに売れている」そうで、両隣の店に来た人が購入したり、逆にドスパラで乾電池を買った人が両隣の店舗に寄ったりと、「相乗効果が現れてきている」そうだ。

最近、ついで買いのお客様が店内で興味を示すのが、グーグルのメガネ型端末「Google Glass」。「実際にかけていただいて体感してもらうようにしている」という。植松店長は「初めて来店された方が、Google Glassを試してみたことをきっかけに店内に入ってパソコン屋だということを意識し、デモ体験でスタッフと話すだけでも大きな収穫」という。これは、「売り場だけでなく、門構えも小さいので、買い物客にとっては入りづらい店のはず。それでも、一度来店していただければ、パソコンを購入するときに、『あそこで相談しよう』と思っていただける」と胸を張る。実際に、こうしたお客様が自分のパソコンが壊れたときに来店し、スタッフとの会話を通して新しいパソコンを購入したケースがあるそうだ。

オープンは2002年。10年以上の歴史で、全国のドスパラの主要客層であるパソコンのヘビーユーザーもがっちりつかんできた。「市内の方々が頻繁に通ってくださる」と、植松店長は常連にも支えられていると説明する。常連の多くは、60歳以上で、お客様の20%を占める。パソコンパーツ目当てに定期的に通う方が多いが、ときには知人といっしょに来店する。「オンラインゲームや映像編集が趣味のお客様を連れてきてくれて、ゲームや映像を流しているパソコンのデモを見て、そのお客様が購入するという流れが定着している」(植松店長)。

商店街の立地を生かして、非パソコンユーザーを吸引する一方で、一定の常連客を確保するドスパラ町田店。植松店長は、「肝心なのはスタッフの接客技術。とくにお客様との会話だ」と断言した。

●店長が語る人気の理由――植松由光 店長

アルバイトとしてドスパラ横浜駅前店に入り、その後、正社員として採用された。8年間、横浜市内の店舗にいて、1年ほど前に町田店を任された。「繁華街ではあるが、横浜に比べると地域に密着した雰囲気が漂っている」と商店街を表現する。

両隣の店主とは、日常会話を交わしながら情報を交換。接客手法だけでなく、商店街全体の活性化につながる取り組みについても話すという。

年に何度か開催される祭りや行事にも積極的だ。昨年の9月21・22日の2日間にわたって開催された町田で最大規模のお祭り、町田天満宮例大祭にも参加した。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年9月29日付 vol.1548より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

いま人気の動画

     

人気記事ランキング