小松菜奈

小悪魔のように周囲の人々を振り回す少女を演じ、衝撃的な長編映画デビューを飾った『渇き。』から一転、小松菜奈が、高校教師に恋をして振り回される不器用なヒロインに。山下智久と共演した大ヒット少女コミックの映画化『近キョリ恋愛』の胸“キュン”ワールドを振り返った。

その他の写真

小松が演じるのは、感情表現が苦手で周囲からは超クールに見られてしまう成績優秀な女子高生ゆに。毒舌で冷たく見えて、いざというときは優しいツンデレ英語教師ハルカ(山下)に、強がっている自分を見透かされ、大嫌いと言いつつ好きになってしまう。やがてハルカもゆにに惹かれていくが、先生と生徒の距離は近くて遠く…。

壁ドン!や、原作でも有名な教壇に立つハルカと、教卓の下に隠れたゆにとのキスシーンなど、女の子がドキドキしてしまうシチュエーションが次々に登場。小松も「今日はお姫様抱っこされるんだ。今日は教卓のキスシーンだ」とドキドキしたと明かす。なかでも特に胸キュンしたのが海辺での場面。「ハルカ先生がすごくストレートに気持ちを言ってくれるんです。海辺での告白って、シーン的にはベタですけど(笑)、でもベタが一番いいなって思いました。ハルカ先生のそれまでのツンがあるから余計にドキドキするし」と笑顔を見せる。

だが、ゆには感情を表に出さないキャラクター。キュンキュンしても、それをそのまま表現することはできなかった。「熊澤(尚人)監督からは『とにかく無表情で!』って何度も怒られました。この“無表情”がただの無表情じゃなくて、ハルカ先生のことが好きという感情は入れながらの無表情なので本当に難しくて」。長編2作目も高いハードルを突き付けられたが、自分を“負けず嫌い”だと認める小松には、確実に大きな糧になった。「たとえば本屋さんに行って恋のHOW TO本を探すシーンは、顔色は変えずに緊張感を出すためにツバを飲み込むようにしました。監督にもいいねって言ってもらえて。今回も必死でしたが、そうして表現を考えるのは楽しくもありましたね」。

『近キョリ恋愛』
10月11日(土)公開

取材・文・写真:望月ふみ