75cmの離れた距離から寝ている人の顔にスチームを噴射する「SH-JX1」

三菱電機は、10月9日、寝ている間に顔のまわりだけに低温スチームを噴射するパーソナル保湿機「SH-JX1」を発表した。

発表会で、三菱電機ホーム機器の田代正登社長は、「日本は湿度が高いイメージがあるが、実は年間を通して空気が乾燥している期間のほうが長い。なかでも室内は乾燥しやすく、調査によると睡眠時の乾燥に悩まされた経験がある人は、全体の8割に達した」と国内の空気乾燥に関するデータを紹介。「乾燥対策に保湿機を使用している人は調査対象全体の3割程度で、多くのユーザーが不満を抱えている。新製品は、これらの不満を取り除くことで、まったく新しい保湿スタイルを目指した」と、開発の背景を語った。

睡眠時に保湿機を利用するときの不満で最も多かったのが、窓の結露。湿度は一日の間に激しく変動するので、部屋全体にスチームを噴射する保湿機だと、朝起きたときに窓に結露が発生する。田代社長は、「顔限定でスチームを噴射する製品はこれまでもあったが、『SH-JX1』が新しいのは、寝ている間、ずっと顔に向けて蒸気を当てるということ。噴射したスチームはすぐに上昇してしまうものだが、三菱は独自機構によってスチームの上昇を抑えることに成功した」と、問題を解決に導いたメカニズムを説明した。

約75cm先まで水平方向にスチームを搬送する仕組みは、吹出し構造を上下二段に分けることで実現。上段から常温風を流し、下段から噴射するスチームの上昇を抑制する。また、本体内部で約90℃の高温スチームを常温風と混合することで、吹出し口での温度を約45℃まで下げた。スチームが顔に到達したときの温度は、保湿に最適な室温+1℃になる。水タンク満タン時(970ml)の保湿持続時間は最大8時間なので、寝ている間、ずっと効果が持続する。

使用後の肌の水分量は使用前の約1.5倍で、のどや鼻も潤すので、乾燥だけでなく、ウイルス抑制の効果もある。運転音は27dBで、睡眠を妨げない静音設計。本体幅は約15cmとコンパクトで、ベッドサイドに設置しやすい。8時間の使用で電気代は約21円と省エネ仕様。毎日安心して利用することができる。

カラーはホワイトとピンク。価格はオープンで、税別実勢価格は3万円前後の見込み。11月14日に発売する。