『奇跡の人』撮影:田中亜紀 『奇跡の人』撮影:田中亜紀

木南晴夏が家庭教師のアニー・サリヴァン、高畑充希が三重苦の少女ヘレン・ケラーに挑む舞台『奇跡の人』が、10月9日に開幕。上演前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、意気込みを語った。

同作は、見えない、聞こえない、話せないの三重苦を抱えるがゆえに甘やかされて育ったヘレン・ケラーに、新米家庭教師のアニー・サリヴァンが指文字を教えることでヘレンに人生を取り戻してもらおうとする物語。ヘレンの両親や兄のジェイムズら家族の葛藤も描く。演出は、2014年読売演劇大賞で大賞と最優秀演出家賞を受賞した新鋭の森新太郎が務める。

5年ぶりに同役を演じる高畑は、「5年前のことをもう1回やろうとしてもできないし、全部を取り壊して新しく立て直しました」と新たな気持ちで取り組んだことを明かした。そして、「かなりハードな舞台ですので、次の公演のことは考えずに全力で楽しんでやりたいと思います」と充実した表情を見せた。

その言葉通り、ふたりの取っ組み合いのシーンは壮絶そのもの。森から「本当に戦っているように見せること」と「スピードアップ」を心がけた演出をつけられたというふたり。声を荒げながらヘレンに厳しく指文字を教えるサリヴァンと、感情を露わにしてそれを拒もうとするヘレンのぶつかり合いに観る者はハラハラさせられる。

「慣れてくるとアザは少なくなってきたんですけど、スピードが上がってきているので息が上がるようになりました。200メートル走を全力疾走したみたい」(木南)。加えて木南は「アニー・サリヴァン役は本当に光栄なことですので、しっかりと受け止めて皆さんにお見せできたらいいなと思います」と意気込みを語った。

初共演となるふたりは、お互いの印象を、「お家みたいな感じがします。(木南の)テリトリーにパッと入れました」(高畑)、「本当にヘレンのようにみんなに愛されていて、私も気遣いをまったくせずにすんなり入っていけました。印象はいいです!」(木南)と話し、舞台上の緊張感とは打って変わって、楽しそうに笑い合った。

公演は、天王洲 銀河劇場(東京都)で10月19日(日)まで。大阪公演は10月21日(火)に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪府)で上演。チケット発売中。

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます