(左から)染谷将太、大泉洋、安藤裕子、三島有紀子監督

俳優の大泉洋が11日に東京・渋谷のシネクイントで行われた主演作『ぶどうのなみだ』の初日舞台あいさつに共演する安藤裕子、染谷将太、2012年公開の『しあわせのパン』に続きタッグを組んだ三島有紀子監督とともに登壇。ファンの間で雨男として知られる大泉は「台風19号が近づいているそうですが、私が何とか食い止めております」と“快晴”の主演作封切りに大喜びで、雨男の汚名を返上した。

『ぶどうのなみだ』初日舞台挨拶その他の写真

北海道・空知地方のワイナリーを舞台に、ワイン作りに情熱を注ぐ不器用な主人公・アオ(大泉)とその弟であるロク(染谷)、ふたりの前に突然現れた赤いワンピースを着た女性エリカ(安藤)が織りなす“再生の物語”がオーガニックな演出で紡がれていく。大泉は「この作品を観て、ぜひ北海道に遊びに来てほしい」と故郷をアピールしていた。

本作で演技に初挑戦したミュージシャンの安藤は、「エリカとして生きた時間を通して、心の中にあるトゲが解けた思いがした。映画を観ることで、少し優しくなり、人を愛おしく思ってもらえれば」。劇中ではアオとエリカの恋愛模様にスポットが当てられており、「初対面でケンカしていた男女が恋に落ちるという、僕が大好きな展開!」(大泉)、「エリカは、自分に似た傷や痛みを持っているアオを癒やしてあげたいと思ったのかも」(安藤)と話していた。

また、染谷は「いつも洋さんに『目が死んでる』とか、『やる気あるの?』って言われる。生まれつき、こういう顔なんですけど」と思わず苦笑。先週から北海道で先行上映がスタートしており、三島監督は「地元に暮らす70歳の女性から『(登場人物が)一生懸命ひたむきに生きる姿を見て、明日も頑張って生きたいと思った』と言ってくださった」と感激しきりだった。

『ぶどうのなみだ』
公開中

取材・文・写真:内田 涼