『誰よりも狙われた男』に記者・学者も太鼓判

2014.10.14 10:49配信
『誰よりも狙われた男』 (C)A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH (C) Kerry Brown

先ごろこの世を去った名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作『誰よりも狙われた男』が17日(金)から公開される。本作は現代の諜報戦をリアルに描いた作品で、緊迫感あふれる物語と作品の奥深さが、現在も取材を続けるジャーナリストや学者たちを魅了している。

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本作の原作小説を執筆したジョン・ル・カレはかつて英国の秘密諜報部(MI6)に所属しており、当時の経験を生かしてスパイ小説の傑作を次々に発表してきた。本作では、ドイツのハンブルクにあるテロ対策チームに所属する主人公ギュンター・バッハマンが、密入国したイッサという若者をあえて“泳がせる”ことで、テロリストに資金提供している大物を狙う計画を立てるが、イッサの弁護士やイッサが接触する銀行の経営者、CIAなど様々な勢力が参入したことで、予想外の事態に巻き込まれる様を描いている。

アメリカ同時多発テロ以降、世界情勢はさらに緊迫し、複数の勢力が様々な事情、歴史的な遺恨、利益の分配、宗教的な対立などを巡って壮絶な駆け引きを繰り広げている。その結果、諜報活動も複雑さを増しており、本作でも単純な“善悪”ではくくることができないドラマが描かれる。ジャーナリストの田原総一朗は本作をひと足早く観賞し「想像を絶する諜報戦のすさまじさに、鳥肌がたつ120分であった。ホフマンの完璧な演技に感動!」と語る。また、国際ジャーナリストの蟹瀬誠一は「私たちの知らないところで複雑かつ冷徹な諜報戦が今も行われている。その裏舞台をリアルに描いた上質のスパイ・サスペンスだ。ル・カレ作品特有のじわりと迫る緊迫感、そして意外な結末がたまらない」、国際政治ジャーナリストで作家の落合信彦は「さすが元MI6諜報員ジョン・ル・カレの原作! 諜報機関の裏の裏を暴く、超現実の世界がみごとに描かれている」と高い評価を寄せている。

さらに本作では緊迫するスパイ戦の背後にある人間ドラマも丁寧に描いており、キャスターの森本毅郎は「ホフマンよ、何故死んだ!と叫びたくなる迫真の演技。イスラムというだけでテロを疑う現代の悲劇に心が痛む」、国際政治学者の小谷賢は「冷戦後、スパイをめぐるゲームは複雑になったが、この映画はすっと理解できる。ジョン・ル・カレが描き出す、緊張に満ちたクライマックスと怒涛の幕切れは必見だ」とコメント。本作は、過去や架空の世界ではなく“いまここ”で起こっている問題を題材にすることで、観客をグッとひきこむ作品になっているようだ。

『誰よりも狙われた男』
10月17日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

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