劇団四季『エビータ』東京公演が開幕 劇団四季『エビータ』東京公演が開幕

劇団四季のミュージカル『エビータ』が1月22日、東京・自由劇場にて開幕した。

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『エビータ』はアルゼンチン元大統領ホアン・ペロンの妻、エバ・ペロン(エビータ)の激動の生涯を綴ったミュージカル。作曲はミュージカル界の巨匠、アンドリュー・ロイド=ウェバーで、彼が『キャッツ』『オペラ座の怪人』などを生み出す前の1978年にロンドンで初演された。その完成度の高さから、ロイド=ウェバーの最高傑作と称されることも多い作品だ。1996年にはマドンナ主演で映画化もされている。

日本では1982年に劇団四季が初演して以来、コンスタントに上演を繰り返しているが、日本初演から30周年、そしてエビータ没後60年となる節目の年に、2年ぶりに東京の地に帰ってきた。エビータ役は野村玲子。私生児に生まれ、男たちを踏み台に大統領夫人にまで上り詰めるヒロインの姿を、野村は激しいまでの意志と信念の女として力強く演じきる。民衆からは聖母と崇められ絶大な人気を誇る一方で、国の経済を破綻させたと弾劾される、清濁併せ持つ難役だが、この役を長く演じている野村らしい気迫のステージで物語の奥深さを鮮やかに創出した。その野村は、「再びこの作品に携われることを、大変嬉しく感じています。信念を貫き、熱く美しく人生を駆け抜けたエビータの姿をお伝えできるよう、ひとつひとつの公演を大切に演じて生きたいと思います」とコメント。また、ややもすれば泥臭くなってしまうヒロイン像に狂言回しとしてシニカルな視点を投げかけるのは、革命家、チェ。こちらも、同役を長く演じている芝清道が抜群の安定感で演じていて見ごたえがある。

公演は2月26日(日)まで。なお、エビータ役は秋夢子とのWキャスト。前回公演よりエビータ役として出演している秋も、歌唱力・ビジュアルともエバの力強さにぴったりだが、もともとは柔らかさを持ち味とする野村とシャープな秋、女優としてはまったく毛色の違うふたり。見比べてみるのも面白い。チケットは発売中。