『ベイマックス』来日記者会見の模様

日本愛あふれる作品として早くも話題を集めるディズニー新作長編アニメ『ベイマックス』の来日記者会見が10月22日に都内で行われ、監督を務めるドン・ホールとクリス・ウィリアムズ、プロデューサーのロイ・コンリ、同スタジオのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるアンドリュー・ミルスタインが出席した。

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サンフランシスコと東京を融合させた架空の都市“サンフランソウキョウ”を舞台に、孤独な少年と心優しいロボットの絆や冒険を描く本作。会見翌日の23日に開幕する第27回東京国際映画祭のオープニング作品として世界初披露させることになっており、「日本へのラブレターであるこの作品を、東京で初めてお披露目できるのは重要であり、光栄なこと」(コンリ氏)とディズニーアニメ初となる日本でのワールドプレミアに誇らしげだった。

“サンフランソウキョウ”を生み出すために、東京をはじめ日本各地でリサーチを重ねたといい、「街並みはもちろん、自動販売機やマンホールのふたまで膨大な写真を撮ったんだ。おかげで作品に、日本の造形美を存分に生かすことができたよ」(ホール監督)、「見覚えはあるけど、実際には存在しない……。そんな宮崎駿監督の世界観を目指したつもり。日本の皆さんにもそう感じてもらえれば」(ウィリアムズ監督)とこだわりを語った。

また、可愛らしいケアロボットの“ベイマックス”について、ホール監督は「日本で鈴を見ていたら、自然と笑顔に見えてきたんだ。そこでベイマックスのデザインに反映させることにした。優しくて、見ているだけで温かくなるロボットにしたかったからね」。一方、ウィリアムズ監督も「ベイマックスには目がふたつあるだけで、口もない。それでもまばたきのスピードを変えたりして、表情豊かになった。日本独自のシンプルな美意識を取り込むことで実現したんだ」と話していた。

会見には日本語吹替えキャストの菅野美穂と小泉孝太郎が着物姿で登場し、監督、プロデューサーらに特製の半被をプレゼント。菅野は主人公ヒロの母親代わりであるキャス、小泉がヒロの兄タダシの声を担当している。

『ベイマックス』
12月20日(土) 全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼