浦和レッズ (C)J.LEAGUE PHOTOS 浦和レッズ (C)J.LEAGUE PHOTOS

ほんの1週間前は、浦和レッズが8年ぶりJ1リーグ優勝へ向けて快走していた。だが、残り5試合となり、優勝争いは混沌としてきた。首位・浦和が2位・ガンバ大阪に勝点5差のアドバンテージを持っているが、ここにきて足踏みを余儀なくされたのだ。

浦和は第26節からセレッソ大阪、徳島ヴォルティス、ベガルタ仙台、ヴァンフォーレ甲府と残留争いを強いられている4チームとの連戦で、ライバルたちをさらに引き離そうと目論んでいた。だが、結果は1勝1分2敗とわずか勝点4の上積みに終わった。ただ、G大阪こそ第26節以降3勝1敗としたが、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズは1勝1分2敗、サガン鳥栖は2勝2敗とライバルたちも一気に差を詰められなかった。

1位浦和・勝点57、2位G大阪・勝点52、3位川崎F・勝点51、4位鹿島・5位鳥栖・勝点50の5チームに優勝争いを絞られたと言っていいだろう。通常であれば、残り試合数から言って、勝点6差以内がぎりぎりの線だが、鹿島も鳥栖も浦和との直接対決を残している。

9月末から停滞気味だが、浦和がタイトルに最も近いことには変わりない。サンフレッチェ広島で連覇を果たし、浦和に堅守をもたらしたGK・西川周作は、夏場の時から「タイトル獲得には残り5節が本当に重要」と語っている。仙台戦では自身のミスもあり、4失点を喫したが、西川が加入し、最小失点リーグ2位タイを維持している。ここ4試合で2試合は無得点に終わったが、興梠慎三、李忠成、柏木陽介のトライアングルを中心に第21節から3試合連続4ゴールを決めた破壊力も秘める。ここまでの悪い流れを断ち切れるか否かは、次節・鹿島戦が大きなウェートを占める。

次が大事なのはライバルたちも同じだ。G大阪は中断明け以降、12勝1分2敗と破竹の勢いを見せた。しかし、前節・柏レイソル戦で試合終了間際にゴールを許し、連勝は7でストップした。敗戦のショックを振り切れるかは、FC東京との第30節にかかっている。G大阪としては31節・仙台戦もクリアし、第32節・浦和戦で一気に勝点3差を詰めたいところ。

川崎Fは、第32節・鹿島戦以外は上位陣との対決はない。中位・下位勢との試合で勝点とともに、大久保嘉人、小林悠、レナトの強力アタッカー陣でゴールも量産したい。

鹿島と鳥栖はとにかく勝ち続けるしかない。鹿島はエース・ダヴィが今季絶望となったが、言い訳はしない。第30節・浦和戦、第32節・川崎F戦、第34節・鳥栖戦でライバルを直接叩くのみ。夏、ユン・ジョンファン監督の突然の辞任を乗り越えた鳥栖も堅守速攻を貫くだけだ。

浦和レッズが歓喜に浸るのか、ライバルが昨年同様に逆転Vをかっさらうのか。残り5試合となったJ1リーグ戦は1試合たりとも見逃せない。