日本の職人が作ったこだわりの商品もあった。ステンレスでできた貼るタイプのデコレーションは職人さんのハンドメイドだ。
元々、デコトラはこのようなデコレーションを車体の傷などを隠すために付けたのが始まりだという説もある。
ベッドウインドー(運転席の後ろの仮眠スペースの窓)のガラスとして入れるガラスエッチングは完全ハンドメイド。これには、デコトラの匂いがまだ残る。
これを作れる人は今ではもう一人しかいない。ガラスを後ろから彫刻して色を入れ、水銀を塗るなどして絵付鏡にするガラスエッチングだ。期限なしで待ってくださる方にだけ完全オーダーメイドで最後の職人さんに作ってもらっているそう。
「一般の読者の方々が欲しいと思いそうなものはあまりないですね・・・」と筆者がつぶやくと、「あるよあるよ」と見せてくれたのがこれ。
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トラック用なので3.3メートルまで伸びる洗車用のブラシ。ホタテ加工工場やお寺さんといった意外なお客さんが購入しているという。
高いところなども掃除しやすくホースを繋いで水を使えるので、家の壁など洗車用ではない用途で購入する人も多いのだそう。
取材を終えて
映画『トラック野郎』の撮影でデコトラを装飾した「トラックショップなかむら」。
現在の主力商品はトラックの内装アクセサリーだった。
今はGPSで運行管理されているトラックが多く、ドライバーさんが仕事中にちょっと寄っていくというようなことが少なくなってきているので、売上は店舗とインターネット通販が半々くらいだそう。
トラックドライバーは観光バスのドライバーに転職する人もけっこうな割合でいて、そんなドライバーさんが、「今日は観光バスで八景島に来たから」と、お客さんが八景島を楽しんでいる間、この店を訪ねてくれることも多いそうだ。
帰りがけにお店のステッカーをいただいた。
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「このステッカーを張っているドライバーは皆いい人だから」という中村さん。開業以来、ずっと家族だけで経営されている店の雰囲気はとてもフレンドリーで温かい。そんな雰囲気が好きで通っているのもまた、きっと桃次郎のように心優しいトラック野郎たちに違いない。
トラックショップなかむら
住所/横浜市金沢区幸浦2-9-1
営業時間/10:00~17:30
定休日/火曜日、第1・3月曜日
※本記事は2014年7月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。