(後列)ジャン=ピエール・ジュネ監督、(前列左から)カイル・キャトレットくん、鈴木福くん

『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督が新作『天才スピヴェット』を携え、開催中の第27回東京国際映画祭のために来日し、主演のカイル・キャトレットくん(10歳)と共に舞台あいさつに臨んだ。イベントにはゲストとして鈴木福くんも来場した。

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芸術性の高い映像で支持を集めるジュネ監督が3Dに挑戦した本作。生まれながらの天才でありながら、家族にもなかなか理解されずに孤独を抱えた少年が、ある発明による科学賞の授賞式に出席するための旅路の中で、様々な出会いを通じて成長していく姿を描く。

日本でも人気のジュネ作品をひと足早く観られるとあって会場は満席。ジュネ監督は「私のファンが日本にも“いくらか”いらっしゃるというのは知ってます。私はモンマルトルのカフェの近くに住んでいて、そのカフェに『アメリ』のポスターがあるんですが、日本人の女の子が来て写真を撮ろうとして『ちょっとどいてもらえますか?』とよく言われるので(笑)」とユーモアたっぷりに語る。

今回、3Dで作品を製作したことについて「子供の頃、のぞくと映像が3Dになるオモチャを持ってて、それが大好きだったんです。今回の脚本を読むと3Dで撮るにピッタリの作品でした」と語った。

そのジュネ監督から「絶対に現場で『疲れた』と言わず、アクションも全て自分でこなしたスター!」と紹介されたカイルくんは「コンニチハ、カイル・キャトレットです」と日本語であいさつし、さらに劇中のスピヴェットさながらに6カ国語で自己紹介を行ない天才の片鱗を見せつけた。

福くんは「スピヴェットを意識した」というタキシード姿で登場。カイルくんの演技について「(演技は)初めてと聞いたんですが、たくさん出ているように見えるくらい素晴らしい演技だったし、アクションもかっこよかったです!」と絶賛する。

カイルくんは10歳以下の武道選手権で3年連続優勝経験を持つが、この日はその腕前を披露! 三節棍(※3本の棒が鎖などでつなげられた武器)と剣、そしてヌンチャクを使い分け、巧みな演舞を見せて会場をわかせた。一方の福くんは、最近、学校で流行っているというけん玉の腕前を見せたが、大勢の観客を前に「緊張して足が震えてます…」と苦笑い。大技にチャレンジするも惜しいところで失敗してしまったが、ジュネ監督はふたりの天才子役を称賛し「次はけん玉の少年とヌンチャクを使う少年のシナリオを書きます!」と語っていた。

『天才スピヴェット』
11月15日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開