「iPad Air 2」「iPad mini 3」は、主要3キャリアが同時にWi-Fi + Cellularモデル(セルラーモデル)を発売する初のiPadとなる。店員に勧められて、iPhoneとiPadを同時に購入するケースもあるようだ。まずは速報として、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、「iPad Air 2」と「iPad mini 3」の発売3日後までのキャリア別販売台数シェアを紹介しよう。

●「iPad Air 2」が人気 セルラーモデルはソフトバンクがシェア約5割

10月24日発売の「iPad Air 2」と「iPad mini 3」を合算した新iPadの2014年10月26日までのセルラーモデルのキャリア別販売台数シェアは、ソフトバンク54.2%、au25.8%、ドコモ20.0%。2010年5月発売の初代iPadから第3世代iPadまで、セルラーモデルを独占販売してきたソフトバンクが全体の5割超を占め、トップに立った。

「iPad Air 2」は、ソフトバンク55.3%、au30.2%、ドコモ14.5%。「iPad mini 3」は、ソフトバンク52.2%、ドコモ30.2%、au17.6%で、ドコモとauの順位が逆転した。内訳は、「iPad Air 2」が全体の64.9%、「iPad mini 3」が残り35.1%で、「iPad Air 2」が人気を集めている。ちなみに、Wi-Fiモデルの内訳は、「iPad Air 2」が84.7%、「iPad mini 3」が15.3%で、セルラーモデル以上に「iPad Air 2」に偏っている。

●スマートフォンとiPadの「2台もち」なら通信料金が割引に

各キャリアが今年導入した新料金プランは、スマートフォンと通信機能つきタブレット端末の「2台もち」も想定した料金体系になっていて、本人や家族が所有する複数の端末の間でデータ容量を分け合うことができる。

ソフトバンクはセット割引として、新料金プラン「スマ放題」向けにスマートフォンでも従来型携帯電話でも適用される「iPadセット割」、従来の料金プラン向けに「タブレットセット割」を提供。auも「はじまる!データシェアキャンペーン」を実施し、スマートフォンとのセット利用を促している。ドコモはセット割引こそ用意していないが、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」で親回線のデータ容量を子回線で分け合うことができるので、同じキャリアで揃えるメリットはある。

●より薄く、軽く、速く――実用性が増すセルラーモデル

「iPad Air 2」のセルラーモデルは、「iPhone 6/6 Plus」同様、より多くのLTE周波数帯に対応し、新たにTD-LTE方式もサポート。au版は「WiMAX 2+」、ソフトバンク版はAXGP方式(TD-LTE互換)の高速通信サービスも利用できるようになった(「iPad mini 3」はTD-LTE非対応)。ネットワーク関連の仕様が強化された新しいiPadは、移動中や外出先で使うモバイル端末として、実用性がさらに高まった。スマートフォンやモバイルWi-Fiルータといっしょに持ち歩き、テザリング機能を利用しなくても単体でデータ通信できるセルラーモデルこそ、フル仕様の真のiPadだといっていい。

最新モデルの「iPad Air 2」と「iPad mini 3」のどちらにするか迷ったら、携帯性や価格を重視する人は「iPad mini 3」、操作性や画質、性能を重視する人は「iPad Air 2」がベターだろう。キャリア版に加え、アップル直営のApple Storeでは、いわゆる格安SIMを利用できるSIMロックフリー版も販売されている。より便利になったセルラーモデルにも注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。