予防接種は“1回”とは限らない!?

予防接種には大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。

生ワクチンは、生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものを接種して、その病気にかかった場合と同じように免疫をつけようとするものです。弱毒化した細菌やウイルスが体内で増殖する事で、身体の免疫を高めていくために、接種の回数が少なく、1回の接種でも充分な免疫を作ることができます。
ただし、十分な免疫ができるまでには約1か月ほどの時間がかかります。

不活化ワクチンは、細菌やウイルスを殺して毒性をなくし、免疫をつけるのに必要な成分を取り出してワクチンとしたものです。生ワクチンと異なり、体内で細菌やウイルスは増殖しないため、十分な免疫をつけるために複数回の接種が必要な場合が多いです。
1回の接種では、免疫が充分にはできないために、ワクチンによって決められた回数の接種が必要です。

インフルエンザワクチンは後者の不活化ワクチンにあたります。
 

効果が出るのは、2週間後から

インフルエンザワクチンは、接種後2週間ほどで抗体産生(免疫)がピークとなり、その後3か月~5か月間は体の中に抗体が存在し、インフルエンザに感染しにくい状態が維持されます。
 

新型ウイルスが流行したら再接種が必要?

先ほど、インフルエンザウイルスは色々な型に変異しやすい事を述べましたが、インフルエンザワクチンも、免疫の型が合わなければ効果はないのでしょうか?

インフルエンザワクチンは、H1N1(ロシアかぜ)、H3N2(A型香港)、B型の3種類の混合ワクチンとなります。新型ウイルスが出現しなければ、このうちどの型が流行しても効果があります。

しかし、 ウイルスの突然変異が起こることがあるので、効果が低下する可能性もあります。新しい変異ウイルスが大流行した場合に限っては、それに対応したワクチンを再度接種し直す必要性が出てきますが、近年は、予測技術が高まっており、実際の流行とはほぼ一致していることが多いです。