●“うま味”を活かそう
味の基本要素である「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」のうち、料理の満足度と最も深く関係しているといわれるのが「うま味」。食事をおいしく味わうためには、“うま味をしっかり感じる”必要がありますが、味覚障害の人を調べてみると、うま味への感度が低下してしまっている人が多いそうです。

そこで近年行われているのが、「うま味」を使った味覚障害の治療や研究。味覚障害の人にうま味を強めた料理を食べさせたところ、約10カ月後にはうま味の感度が正常に戻った、という報告もあるようです。

また、ある医療現場や介護施設では、高齢者のドライマウス対策に「昆布水」が使われており、唾液の分泌量を増やすことに成功しているとか。唾液の分泌量が増えることで味覚障害の改善につながり、食が進み、幅広い健康効果が期待されるといいます。
(出典『うま味パワーの活用便利帳』山本隆監修・NPO法人うま味インフォメーションセンター/青春出版社)

「何を食べてもおいしく感じない」生活は、考えただけでも寂しいものです。うま味を加えることで、濃い味つけをせずに済むという利点があります。手軽な「昆布水」をはじめ、自然のうま味を取り入れながら、おいしさを共有しあえる生活を維持したいですね!

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。