森山良子 森山良子

2015年2月11日(水)に東京・サントリーホールにて『Ryoko Classics2』を開催する森山良子が、ぴあのインタビューに答えた。

『Ryoko Classics』は2013年に第1回が開催。アンコールを望む声が多く寄せられ、その期待に応えて、再びオーケストラとの共演が行なわれる運びとなった。公演ではオリジナル曲に加え、映画音楽やミュージカルのレパートリーも披露される予定。幅広いファンが楽しめる夢のコンサートになりそうだ。

まずは、昨年2月にリリースしたアルバム『Ryoko Classics』について話を聞くと、「実は、声楽のトレーニングはつねにずっと続けているんですよ。私が子供の頃に出会った先生がいて、70歳半ばを越えられていますが、今でもレッスンを見ていただいてます。フォルテを出すときにも、正しいイメージの作り方を教えてくださって、声の小さな歪みも正していただける。先生自身も勉強をして、つねに前進されているんです。『Ryoko Classics』にはスペシャルサンクスを捧げたい人がふたりいて、それは音楽に厳しかった母と先生なんです」と語った。

さらに、「歌う」ということに話が及ぶと「ピッチ(音程)って、最近ではあまりうるさく言われないものなのかも知れませんが、私は子供の頃から鼻歌を歌っていても、父と母から『低い低い、フラットしてる』といつも注意されていたんです(笑)。音楽はまずピッチありきなんですね。今ちょうどレコーディングの最中なのですが、スタッフはそれほど細かく気にしないんです。私はどうしても正しいピッチで歌いたいので、(コンピューターで)波形を見て、少しでも下がっているとやり直します」とこだわりを見せた。

また、今回の公演のように80名のオーケストラと歌う時も発声は変わってくるそうで、「こんなふうに歌っていたのが(ラララ…とリラックスした声)、こんなふうに(オペラ歌手のようにボリュームのある輝かしい声)に変わります(笑)。オーケストラと共演するのは楽しいですよ。オーケストラ・アンサンブル金沢やNHK交響楽団とも共演してきましたが、毎回大きな刺激を受けます。アレンジもオリジナルですから新しい楽譜を作ることも大事な目標になります。クラシックの既成の譜面をそのまま使うのではなく、自分なりのニュアンスが出るスコアを、アレンジャーの方に作って頂いています」と明かした。

最後に、来年2月の公演における選曲に関して「クラシカルな楽曲と、私がずっと歌ってきた『さとうきび畑』『涙そうそう』『この広い野原いっぱい』といった“森山良子はこういう曲”というものを盛り込みながら、映画音楽の名曲やミュージカルも歌う予定です。映画から生まれた曲には素晴らしいメロディがたくさんあります。そういった音楽をオリジナルとともに楽しんで頂きたいです」と語った。

チケットは発売中。
(取材・文:小田島久恵)