写真左より 山口毅(事務局長兼企画制作部長)、中山欽吾(理事長)、深作健太、準・メルクル、幸田浩子、山本耕平 写真左より 山口毅(事務局長兼企画制作部長)、中山欽吾(理事長)、深作健太、準・メルクル、幸田浩子、山本耕平

東京二期会の2015/16シーズンラインナップが発表された。

「東京二期会オペラ劇場」のチケット情報

2015年2月『リゴレット』~パルマ王立歌劇場との提携公演~【新制作】
2015年5月『ジューリオ・チェーザレ』~二期会ニューウェーブ・オペラ劇場公演~【新制作】
2015年7月『魔笛』~リンツ州立劇場との共同制作~
2015年10月『ダナエの愛』【新制作】
2015年11月『ウィーン気質』【新制作】日本語訳詞上演
2016年2月『イル・トロヴァトーレ』【新制作】
2016年7月『フィガロの結婚』~二期会名作オペラ祭~【再演】

ラインナップの特徴は大きく3点。1点目は、オペラ初演出の演出家の起用。映画監督・脚本家の深作健太が『ダナエの愛』、長年、宝塚歌劇団で活躍した荻田浩一が『ウィーン気質』の演出を手がける。従来からあるオペラ演出の慣例に捉われない才能を起用することで、新しいファンの獲得を狙う。

2点目は、海外の歌劇場との提携。パルマ王立歌劇場との『リゴレット』、リンツ州立劇場との『魔笛』などで、国際的なコラボレーションやグローバル・スタンダード化を目指す。

3点目は、海外アーティストとの共演。世界の一流歌劇場で活躍する指揮者の準・メルクルが『ダナエの愛』を指揮。2012年の東京二期会『ナブッコ』で大成功をおさめたアンドレア・バッティストーニが、『リゴレット』、『イル・トロヴァトーレ』など継続的な共演を予定している。

その他、バッハ・コレギウム・ジャパンなどで活躍する鈴木秀美の本格的なオペラ指揮初挑戦となる『ジューリオ・チェーザレ』。日本語によるオペレッタ『ウィーン気質』など、ラインナップは多彩だ。

都内で行われたラインナップ発表会には、『魔笛』でパミーノ役を歌う幸田浩子、『リゴレット』でマントヴァ公爵を歌うテノールの山本耕平と、二期会を代表する人気歌手ふたりが登壇。「『魔笛』はこれまでにクナーベ、パパゲーナ、パミーナ、夜の女王と、女性役は全部歌う機会があって、どこをとっても大好きな作品」(幸田浩子)、「いまマントヴァに留学中で、現地でマントヴァ公爵役の修行に励んでいます」(山本耕平)とそれぞれ意気込みを語った。

また特別ゲストとして、全幕上演は日本初演となる『ダナエの愛』(指揮者の故・若杉弘が演奏会形式で日本初演)で指揮を担当する準・メルクル、演出を担当する深作健太が登壇。「『ダナエの愛』は上演機会が少ない作品なので、日本で一から作り上げることが出来て嬉しい。尊敬する若杉先生にご縁がある作品に参加できることは光栄です。」(準・メルクル)、「オペラの演出は若い頃からの夢でした。決して二足のわらじではなく、オペラ演出家として一本立ちできるように励みたい」(深作健太)と抱負を語った。