1977年にPC本体とキーボード、モニタ、5インチFDDを一体化したデスクトップPC「M200」シリーズを世に出したソードの社名が7月2日、復活した。ソードの歴史には紆余曲折があった。

ソードの前身である東芝プラットフォームソリューションは、産業用組込みPCなどのエンベデットソリューション事業で高いシェアを誇っていたが、親会社の東芝による一連の不正会計問題によって18年2月28日にファンドに売却された。東芝が、東芝プラットフォームソリューションの全株式をアスパラントグループの運営するファンドが設立したTOPSホールディングスに譲渡したのだ。この時点で、東芝プラットフォームソリューションは東芝の連結対象から外れた。

株主がTOPSホールディングスに変更した東芝プラットフォームソリューションだったが、事業内容はこれまで通り継続しながら、親会社のTOPSホールディングスと合併してソードに社名変更、ソードがTOPSホールディングスの権利義務の一切を継承する存続会社になった。

ソードは70年に大野若松氏や椎名堯慶氏が設立し、翌年の71年5月にソード電算機システムに社名変更。80年には、日本初のプログラミング言語「PIPS」を発表するなど、コンピュータ産業の黎明期をけん引したベンチャー企業の1社だった。87年に東芝と資本提携して子会社になり、16年に東芝プラットフォームソリューションに社名を変更。社長は17年6月に就任した佐藤雅裕氏。ソード電算機システム出身のIT業界の人物は数多く、ヤフーの元社長で昨年4月に亡くなった井上雅博氏や、AOSデータの春山洋社長などがいる。