売り場づくりで重要なフェイシングとPOPのバランス

【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.9】 商品の顔にあたる部分をフェイスといい、家電製品でいえば陳列した際に顧客に見える正面を指すことが多い。このフェイスを顧客が見やすいように揃えて並べ、「見せ方」を考えるのがフェイシングである。今回はフェイシングと、それを装飾するPOPのバランスについて考える。

「フェイス数は増やせばいい」の誤り

フェイシングでは、同一の場所に展示されている同一商品の数をフェイス数と呼ぶ。また、家電製品は見た目だけでは機能やスペックの違いがわかりにくいため、家電量販店のフェイシングで重要なのがPOPやメーカー販促物などの装飾物とのバランスをとって考えることである。

なぜなら、家電量販店にはメーカーと商談で決めた拡販指定機種があり、指定された商品は集中販売を行えるよう、本部から関連するPOPが配信されるうえ、店舗も担当者が独自にPOPを作成して添付するケースが多いからである。

フェイシングとPOPのバランスを考えなければ、結果として(1)のように拡販指定機種の本体に多くのPOPが貼られ、肝心のフェイスが隠されるため、逆効果になってしまう。商品を目立たせて、販売台数の増加を狙うならば(2)のように高さのある下敷きPOPベースを作成し、POPを整理して商品の背面にまとめて訴求するなど、商品本体への貼付は極力避けて、見やすくすることが大切である。

この「見やすさ」は日ごろから意識しないと簡単にバランスが崩れてしまうので、担当者自身は気づきにくいものだ。そのため、店長をはじめとする役職者が店内の売り場を確認する際に、フェイスが隠れた商品がないかをチェックし、不備があればその場で担当者に理由を説明して修正することが望まれる。

アドバイスとしては、拡販指定商品の色違いの商品があれば在庫はとらなくても展示だけは行うようにすれば、2フェイスになり、さらに露出が高まるため、販売台数が伸びる可能性も高くなるので実践してもらいたい。

ただし、フェイス数は3つや4つに増やせば販売台数が伸びるかといえば逆で、伸び幅は少なくなる。1フェイスから2フェイスにしたときが最も伸び率が高いといわれており、「フェイス効果逓減の法則」と呼ばれている。

拡販指定商品の中でも本部から店舗に台数予算がおりている商品は、在庫予算の絡みもあるため導入は難しいかもしれないが、2フェイスの展開も選択肢の一つとして考えて、与えられた予算をクリアしていただきたい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。

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