THE BOHEMIANS 撮影:古渓一道 THE BOHEMIANS 撮影:古渓一道

11月3日、東京・東京キネマ倶楽部でTHE BOHEMIANSの全国ツアー「AUTUMN ROYAL BUM TOUR 2014~僕の復活~」のファイナルが行なわれた。

the pillowsの山中さわおが主宰する「DELICIOUS LABEL」に移籍し8月にアルバム『BUM』をリリースした彼ら。9月23日新宿red clothからスタートしたツアーは全国10会場で行われ、熱狂の渦に巻き込んできた。

ファイナルが行なわれた東京キネマ倶楽部はレトロで昭和のフレーバーたっぷりでTHE BOHEMIANSの妖艶でグラマラスな雰囲気にぴったりだ。びしっとスーツでキメた山中さわおが60~70年代のアメリカのTVショーのような呼び込みをまくし立て「変幻自在のロックンロール・バンド、ザ・ボヘミア~ンズっ!」とシャウトすると、場内のボルテージは一気にヒートアップ。メンバーひとりひとりがステージ上にあるサブステージの鮮やかな幕から登場する粋な演出でライブ・スタート。

稀代のロックスター、平田ぱんだ(vo)は全身のシルエット、ふてぶてしさと美しさが同居する表情、パントマイムの要素も絡めたパフォーマンスが秀逸。千葉オライリー(と無法の世界)(ds)と星川ドントレットミーダウン(b)の繰り出すグルーヴは実に心地よく、本間ドミノ(key)のピアノもドラマチック。そしてビートりょう(g)のギターはぱんだと共にこのバンドの華やかさを牽引している。新作からのナンバーに定番の曲をうまく織り交ぜ、ゴージャスなロックンロール・ショーはイントロが始まるたびに悲鳴にも似た歓声が沸き起こる。本編は『おぉ!スザンナ』、『ロックンロール』の2曲で終了。その後アンコールで3曲、ダブルアンコールに応えても興奮が冷めやらぬ中、メンバーがドラムセットの前に集まり作戦会議。the pillowsのトリビュート盤に参加したナンバー『No Substance』を繰り出し、2時間に渡る贅沢な宴はその幕を閉じた。

この日の模様はDVD収録されており、追ってその情報も発表される予定だ。彼らの潜在能力はまだまだこんなもんじゃないと思わせる、魅力満載のステージ。もっともっと大きなステージで演奏する5人を、目撃する日も遠くなさそうだ。

取材・文 浅野保志