ファンの皆さんの人生に関われるのが嬉しい! 朱鷺メッセ、待ってまっせ!

――さてさて、最後はお約束でしめましょう! では、読んでいる方にひと言お願いします!

Nao☆「今回は、Negiccoの心の奥まで、いろいろ知っていただけたと思います。15周年、見たことのない景色を、一緒に見ましょう! ぜひぜひ、来てください! 朱鷺メッセ、待ってまっせ!」

――「行きまっせー!」コール待ちですね(笑)。

Megu「Negiccoとして続けてこれたことに、ファンの皆さんに感謝したいっていうことはもちろん、皆さんの人生に関われていることが、とても嬉しくて…。ファンの皆さんの存在が、本当に大きいので、いただいている分、お返ししたいです。だから、朱鷺メッセにはぜひ来てほしいです」

Kaede「15年頑張ったとしても、立てると思わなかった会場なので、スタッフさんにも感謝しています。小さなお祭りで経験を積んできて、新潟の方に応援していただいて、厳しいことも言っていただいて、そのおかげで強くなれたと思うんです。だから、新潟の皆さんには是非来ていただきたいし、全国の方にも足を運んでいただいて、新潟の魅力を感じていただきたいです」

――今日は、長い時間のインタビュー本当にありがとうございました!

Negicco「ありがとうございました!」

3人のボーカルが織りなす至高のポップス! 『MY COLOR』全曲レビュー

では最後に、7月10日にリリースされたNegicco4枚目のアルバム『MY COLOR』を全曲レビューしていきましょう。通して聴いてみると、今作のキーポイントは、ずばり“声”だと感じました。全く声質の違う3人の声が、色鮮やかな織物のように編まれていく至高のポップスアルバムです。では、いってみましょう。

1. Never Ending Story

印象的なギターとフィドルからはじまる、草原で踊る3人が頭に浮かぶようなナンバー。曲が進むにつれて、Kaedeさん、Meguさん、Nao☆さんの声が、ひとりずつ揃っていく感覚が楽しい1曲です。表現力豊かな歌声に、活動15年で培った説得力を感じます。

2.キミはドリーム

1曲目からシームレスにつながって、心弾むこの曲へ。疾走感がありつつ緩急もしっかりついた、アニソン系楽曲の良さがぎっしり。Negicco3人の声はもちろん、辻純更さんのキュートなコーラスが印象的。『アイカツ!』関連のアーティストが多く関わった1曲です。

3.スマホに写らない

続いては、人気バンド「思い出野郎Aチーム」の手によるホーンセクションが印象的な楽曲。ゆるやかで、それでいて豊かな時間が流れます。凄腕プレイヤーを集めたNEGiBANDとのライブやツアーなどの経験が、こうした楽曲に活き活きと血を通わせているようです。

4.愛、かましたいの

銅鑼の音から七転八倒、急転直下のポップソング! シングルとして発表されたこの曲は、Negiccoポップス路線の代表曲のひとつと言えるでしょう。アルバムの中で聴くと、3人のそれぞれの声に愛情を注いで制作されていることを改めて実感します。

5.Tell me why?

そして一転、打ち込みバリバリのシンセサウンドへ。作曲・編曲はお馴染みconnieさん。そして作詞は、なんと森雪之丞さん! MVを作るなら、ちょっとvaporwaveなテイストかな…なんて想像すると、惜しまれつつ解散した盟友Especiaが、頭をよぎります。

6.She's Gone

続いては、息遣いや、時折のかすれをも活かすオーガニックなサウンド。目の前に3人が腰かけて口ずさんでいるような、強烈な生々しさを感じます。ものすごく力が抜けているようで、それでいて一種の緊張感すら漂う楽曲です。

7.カリプソ娘に花束を

音楽性がひとところに留まらないのが今作の特徴のひとつ。アルバムど真ん中のシングル曲は、ご陽気なラテンサウンド。賑やかですが、ちょっと切なさや懐かしさも感じます。なによりも、曲のど真ん中で歌うキュートな3人にはなんだか安心感を覚えます。

8.そして物語は行く

続くのは、大阪と東京で素晴らしいコラボライブを見せてくれたCRCK/LCKSとの楽曲。爽やかさとスピード感のある1曲で、朝ドラのオープニング曲にしたらピッタリかも? Negicco自身、ドラマ化してほしいぐらい波乱万丈の歴史があるグループですものね。

9.ノスタルジア

この曲の出だしは、切なくなるような歌声で始まります。スピードを上げていくポストロック的なリズムも効果的ですね。刻まれるグルーヴの中で、時に囁くように、そして力強く届けられる歌声は、歌うメンバーそれぞれの表情が目に見えるよう。

10.グッデイ・ユア・ライフ(下りver.)

発表当初から、キャッチーなメロディーでファンからの人気を集めていた「高速道路ソング」もアルバムに収録。しかも、曲の後半は、あの方の声も聴けてしまいます! ファン垂涎、思わず聴きながらドキドキしてしまいました。いやあ、イイ声!

11.硝子色の夏

作詞に中島愛さん、作曲・編曲にクラムボンのミトさんを迎えた楽曲は、女性の優しさと可憐さと強さを輝く結晶に閉じ込めたようなキラキラした1曲です。しかもこの曲、3人の愛の告白がすぐ耳元で囁かれるというファン悶絶のパートも。ライブで聴くのが楽しみ!

12.雫の輪

数々のメジャーアーティストを手掛けてきた冨田恵一さんが、ついにNegiccoと遭遇! 雄大な風景から、ひとりの女性にピンライトが当たり、そこからストーリーが展開していくような楽曲は、まるで映画のエンディングのよう。このスケール感は、これまでのNegiccoにはなかったものではないでしょうか。

13.15

そして最後には、ちょっと意外なほどのダンスチューン! 初期Negiccoのようなエレクトロポップス路線に回帰した楽曲をここに持ってくるのは、なかなか心憎い構成です。ゲームで言うなら、エンディング後に2周目の「強くてニューゲーム」が始まった感じでしょうか。曲の最後に鳴る音にニヤッとする方も多いはず。そう、 このアルバムはNegiccoの新たなスタート地点なのです。

3人の“MY COLOR”が、未来の可能性につながる

全体を通して、フェティッシュとも言えるほどに、それぞれの歌声にフォーカスを当てたアルバムだと感じました。全くタイプの違う3人の歌声、その質感の違いを前面に押し出した楽曲が多い印象を受けるんです。メンバーそれぞれの持つ“MY COLOR”を、参加した数々のアーティストが理解し、愛し、表現しているのだと思います。

そして、ドラマや映画、アニメなどの映像作品にぴったりの楽曲が数多く収録されていることも印象的でした。Negiccoは、ライブが素晴らしいグループであることは間違いありませんが、その歌声がメディアに乗ってもっと広く聴かれるべきだとも思います。今作は、より多くの人々に届くきっかけになるような、未来へとつながるアルバムになるのかもしれません。

全曲レビューした後、『MY COLOR』スペシャルサイトが公開になりました。参加アーティストからの愛情とリスペクト溢れるメッセージを読むことが出来ます。特にミト(クラムボン)さんのメッセージは印象的でした(ぜひサイトで読んでみてください!)。現在のNegiccoが、Artists' IDOL(アーティストのアイドル)的なポジションにあることを端的に表現してくださっているようです。

数多くのアーティストに、スタッフに、家族に、そしてもちろんファンの皆さんに愛されて、これからもNegiccoは着実に成長していくことでしょう。まだまだ、追いかけられればと思います! 今回の特集は以上です。

●ライブ情報
「“love my 15years at 朱鷺メッセ”」
日時:7月21日(土)開場17:00/開演18:00
会場:新潟県・朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 展示ホールB

●リリース情報
アルバム『MY COLOR』発売中