佐藤寿人(サンフレッチェ広島) (C)J.LEAGUE PHOTOS 佐藤寿人(サンフレッチェ広島) (C)J.LEAGUE PHOTOS

サンフレッチェ広島の初優勝か、ガンバ大阪の7年ぶり2度目の優勝か。11月8日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフを迎える『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』決勝の命運は、エースが握る。

サンフレッチェ広島対ガンバ大阪 ナビスコカップ 決勝 チケット情報

決勝となれば、どのチームもまずは守備に重きを置いてゲームに入る。その中でまず徹底マークに遭うのがエースストライカーである。エースを封じれば、勝利に近付く。だが、エースが包囲網を突き破りゴールを奪えば、より大きなダメージを与えられる。そもそも、大一番で結果を残してこそのエースストライカーである。89分仕事ができなくても、一瞬の隙を逃さずに決め切る。エースに求められるのは、タイトルを手繰り寄せるゴールだ。

佐藤寿人(広島)はJ1リーグ戦第30節・清水エスパルス戦で前人未到の11年連続ふたケタゴールを達成した。J1通算144得点は歴代3位である。2012年には得点王とMVP、ベストイレブンを受賞したJリーグを代表するストライカーである。

佐藤をトップ、高萩洋次郎、石原直樹が2シャドーに並ぶトライアングルは絶妙なコンビネーションを見せる。距離が長かろうが短かろうが、高萩は常に視線の先に佐藤をとらえる。パスが出るとともに、佐藤は相手DFとの駆け引きを制し、裏へ抜け出す。相手守備陣が佐藤の存在に意識を奪われればしめたもの。背番号11をおとりに、石原がボールを受ける。さらに左・山岸智、右・柏好文の両サイドからのクロスだけではなく、ボランチ・青山敏弘からの縦パスも効果的だ。G大阪にとって、広島の誇るアタックは厄介極まりない。

ニューヒーロー賞を受賞した宇佐美貴史(G大阪)に、かつてのチャンスメイカーのイメージはない。バイエルン、ホッフェンハイムで2シーズンを過ごし、2013年途中にG大阪に復帰した宇佐美はJ2リーグ18試合で19ゴールを量産した。今季もケガで出遅れたが、リーグ戦では8ゴール、『ナビスコ杯』では6試合5得点とストライカーに変貌を遂げた。一瞬で相手を置き去りにするドリブル、タイミングをずらすセンス、高いシュート技術は、まさにストライカーのそれである。

宇佐美だけではない。2トップを組むパトリックは8得点、2列目の阿部浩之は7得点、リンスと倉田秋と大森晃太郎は5得点と、G大阪はどこからでも点が取れるのが強みだ。

広島のしっかりラインを形成した守備網は定評がある。G大阪もリーグ最少3位の失点数でかつての脆い守備のイメージを払拭した。互いに決勝らしい堅い戦い方はできる。堅い守備をこじ開けゴールを突き刺すのは佐藤寿人か、宇佐美貴史か。エースストライカーが祝砲となるゴールを決める。11月8日(土)・『2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップ』決勝・サンフレッチェ広島×ガンバ大阪・埼玉スタジアム2002のチケットは発売中。