映画『祝宴!シェフ』監督が語る料理と記憶の関係

2014.11.7 10:50配信
チェン・ユーシュン監督

『熱帯魚』『ラブゴーゴー』などで知られる台湾のチェン・ユーシュン監督が16年ぶりに手がけた『祝宴!シェフ』が公開されている。本作は台湾の美食文化を題材にした作品だが、監督は食を通じて“人間のドラマ”を描いたという。

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本作は、台南を舞台に、“神”と呼ばれる伝説の料理人から究極のレシピを託された娘と、料理の道を究めようとする人々の騒動を描いたコメディで、リン・メイシウ、トニー・ヤン、キミ・シアら台湾の人気俳優が多数出演している。

当初、監督は「台湾の祝宴文化を描きたい」と脚本の執筆を開始した。台湾では、祝い事があるたびに野外で宴が開かれ、出張料理人が腕をふるって客をもてなす文化がある。「しかし、結局のところ料理をするのも、それを食べるのも人ですから、料理と人間の感情は結びついていることに気づきました。ですから脚本を書いていく中で、美食を扱うけれども人間のドラマを中心に据えなければならないと気づいたんです。料理が人の感情を呼び覚ますケースはよくあります。かつて誰かと一緒に食事した記憶がよみがえるのです」。

その一方で、監督は劇中に登場する“料理”の表現にもこだわり抜いた。「料理を題材にして映画を撮る際の最大の問題は“美味しさ”をどうやって伝えるのか? ということです。登場人物が『おいしい!』というだけではダメでしょう。観客は食べることも、匂いをかぐこともできないわけですから、食べた俳優の“リアクション”によって観客の想像力をかきたてる必要がありました。また、私はCMの監督もやっていて調理プロセスをどう撮るのか試行錯誤を繰り返してきたので、この映画では、調理のシーンで凝った技法を使いました。あるシーンでは小型カメラを棒の先端にとりつけて、調理中のフライパンのギリギリまで寄せて撮影しました。料理を“役者”に見立てて、彼らが活きるように撮影したのです」。

料理人が手間をかけ、時間をかけて調理した料理は人々を笑顔にし、忘れていた記憶を呼び覚ます。本作も“料理にまつわる記憶”が刺激されるシーンが次々に登場し、観客をもてなしてくれる。

『祝宴!シェフ』
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