『天才スピヴェット』

『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作『天才スピヴェット』が間もなく公開になる。主人公のスピヴェットはタイトル通りの天才少年だが、ひと足早く観賞した観客からは「自分の子どもの頃を思い出した」という声が多く寄せられているという。

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映画の主人公スピヴェットは、モンタナの牧場で暮らす10歳の天才科学者。家族は、虫に恋する昆虫博士の母と、100年遅れのカウボーイの父、アイドルを夢見る姉、強くて活発な双子の弟の5人。父や姉とあまり上手くコミュニケーションがとれないスピヴェットは、家族から愛される弟のようになりたいと思っていたが、ある日、突然、弟が死んでしまう。悲しみにくれる家族の心はバラバラになり、自分がいなくなればよかったと思う日々を過ごすスピヴェットの元に、権威ある科学賞受賞の知らせが届き、彼は家族に内緒でアメリカを縦断して授賞式のある博物館をめざす。

スピヴェットは天才的な頭脳をもち、永久機関に関する研究で専門家たちを驚かせる存在だが、それ以外はいたって普通の10歳の少年で、劇中には子どもの頃に誰もが感じる孤独感や、劣等感、親に対する想いが丁寧に描かれる。公開前に実施されたモニター試写会では「スピヴェットの気持ちの変化や心のうちが伝わってきて、子どものような心で見られた」「自分が家出したときのことを思い出した」「映画を観ながら何年も忘れていた気持ちがよみがえってきて驚いた」「彼は天才だけど、悩みをひとりで抱え込んでしまうところはみんなと同じ子どもなんだと思った」などの声が寄せられているという。

劇中でスピヴェットは家の外に広がる世界を見つめ、様々な人々に出会い、遠く離れることで改めて自身の家族について想いをはせる。映画は3Dを駆使したワクワクする映像で主人公の冒険が綴られるが、同時に「子どもの頃に同じことを思った!」という気持ちになれる作品になっているという。また、先のモニター試写会では「子どもの頃、こんな家出がしてみたかった!」という声もあがっているそうで、本作は主人公の冒険を一緒に体験することで、自身の忘れていた想いや冒険心を思い出させてくれる映画になっているようだ。

『天才スピヴェット』
11月15日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
(C)2013 Epithete Films - Tapioca Films - Filmarto - Gaumont - France 2 Cinema Jan THIJS (C) EPITHETE FILMS - TAPIOCA FILMS - FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA

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