新垣結衣

不思議な町“ささら”で個性的な人々に囲まれながら奮闘するシングルマザーのサヤの前に現れたのは、事故で死んだはずの夫ユウタロウ(大泉洋)だった!? しかもユウタロウがサヤと話せるのは、他人の身体に乗り移った短時間だけ…。加納朋子の小説を基に『神様のカルテ』の深川栄洋がメガホンをとったヒューマンファンタジーで、主人公のサヤに扮した新垣結衣が作品を振り返った。

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「親戚の赤ちゃんをあやしたりしていたので、今回はプライベートを生かせました」と初の母親役にも笑顔を見せる新垣。サヤについては「ささらの町での生活が徐々に彼女を強くしていったように感じる人もいるかもしれませんが、私としては、彼女はもともと強い女性だと思っていました。もちろん成長もしているけれど、もともとあったサヤの強さを、ささらの人たちが後押ししてくれたのかなって」と分析する。

サヤのことが心配で成仏できないユウタロウが、他人に乗り移るシーンでは、乗り移られる富司純子や中村蒼らの動きに大泉の声を充てるといった手法は取らず、富司や中村らが完璧に大泉のユウタロウを演じきって笑わせる。これらのシーンはとてもユーモラスだが、後半、このコミカルさが効いてくる。特に新垣自身、「本当に頑張ったと思うし、頑張っただけのシーンになっていると思います」と胸を張る、クライマックスでのサヤと、ユウタロウ自身が現れて対峙する場面には胸を締め付けられるに違いない。

「それまでみなさんがユウちゃんを素晴らしく演じてらしたので、私としては富司さんの頬についた米粒を取るといった仕草もなんのためらいもなくできてたんです(笑)。ただ、クライマックスで大泉さんの姿でユウちゃんが登場したときにはやっぱり特別なものがあったし、ずっと涙が溢れっぱなしでした。それにユウちゃんに投げかけたある言葉で、それまで、乗り移られた人たちとサヤが自然に接していたことの理由が腑に落ちたんです。出来上がった作品を観て、改めて気がついてグッと来ました(笑)」。

『トワイライト ささらさや』
公開中

※取材・文・写真:望月ふみ

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