VTRと取材で知った刑務作業の実情

矢鳴さんのジャケットは「YOKOHAMA PRISON INDUSTRY UNIT STAFF」
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この日、第42回「矯正展」を手がけた横浜刑務所職員の、処遇部作業担当の矢鳴さんにお話しを伺った。

誰がどの作業をするかはどうやって決めるのだろう? 

「入所時に人物調査・身体と精神の状況・過去の職歴などをもとに一人ずつ会議して決めます」と矢鳴さん。

売り上げの一部は、矯正協会という財団を通して犯罪被害者の会に寄付される。そのほか「受刑者の労働は自分が犯した罪に対する刑罰なので、本来賃金は発生しないものの、少しでも就労意欲が上がるよう、また、出所時にお金を持たせて出所させるため、技能や作業時間に応じて作業報奨金として国の予算からわずかばかり支払われる」そうだ。

○○産業という名の出店は、受刑者に製作をオーダーしている販売会社
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地元のケーキ店や、横浜南部市場からの出店も
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こんな変わりダネの出品も
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函館少年刑務所の人気“マル獄”ブランド。お客さんの反応が真っ二つ
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刑務所の内情をいろいろ知れるVTR が流れていた
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会場内にVTRのブースがあった。刑務作業の仕事を求めて企業巡りする営業の話が印象的だった。

「昔は待っていても仕事が来たが、世の中全体が不況で仕事がない。何十人分という受刑者の刑務作業が不足している。商談がうまくいくのは年に数回だけ」

VTRの中で、昔を知る受刑者は「今の作業は単純労働になってしまい、出たら職に就けるか不安だ」と言う。

不況による負のスパイラルは、隣接の横浜拘置所に100人以上が待つことにつながるのかもしれない。