『ランナーランナー』(C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

国会でカジノ法案が審議される昨今、アメリカで起こった不正事件をもとに“カジノの影”を描いたジャスティン・ティンバーレイクとベン・アフレック共演の『ランナーランナー』が11月21日(金)より公開される。カジノ専門家として活躍する国際カジノ研究所の所長・木曽崇氏は本作をどのように観たのだろうか?

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映画は、年間300億ドルの収益を上げると言われている米オンラインカジノの世界を題材にしたスリリングなサスペンス。『リンカーン弁護士』のブラッド・ファーマン監督と、『オーシャンズ13』の脚本家ブライアン・コッペルマン&デヴィッド・レヴィーンがタッグを組み、オンラインカジノの詐欺行為に気づいた天才学生リッチー(ティンバーレイク)が、裏社会でカジノ王(アフレック)やFBIを敵に回し、自分の命を賭けた攻防を繰り広げる様が描かれる。タイトルの“ランナーランナー”とは、ポーカー用語で、危機的状況において、最後の2枚のカードで大逆転すること。

物語は、プリンストン大学の天才学生リッチーが、得意とするオンラインカジノの不正に気付かず、全財産を失ってしまうところからはじまる。木曽氏は「劇中で見られたように海外にサーバーを設置しながら、日本に向かってサービス提供を行うようなオンラインカジノも沢山ありますが、サーバーが海外にあったとしても、日本からそれらサービスにアクセスする限りは国内法が適用されます」と説明し、「この点に関して『海外にサーバーがある場合は法で裁かれない』などとして勧誘を行う悪質なサイトも沢山存在します。リッチーのようなトラブルに巻き込まれないように皆さんには十分に気を付けて頂きたいと思います」と警告する。

「現在、政府の下で進められているカジノ合法化の検討の中にはオンラインカジノの合法化は含まれていません。本作では、主人公リッチーを中心に、カジノにまつわる様々なトラブルがセンセーショナルな形で描かれてしまいましたが、このような“残念な事例”を反面教師としながら、日本でのカジノ合法化と統合型リゾート導入を正しい形で実現される日も近いことでしょう」と語っている。

『ランナーランナー』
11月21日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー