『TATSUMI』外国人監督が語る想いとは?

2014.11.14 10:36配信
エリック・クー監督

日本のカルチャーを代表する“マンガ”。その巨匠といえば手塚治虫が浮かぶが、手塚が嫉妬したクリエイターがいる。“劇画”の名付け親、辰巳ヨシヒロだ。『TATSUMI マンガに革命を起こした男』は、辰巳の半生を、彼の短編5本と2008年に書籍化された自伝エッセイマンガ『劇画漂流』を軸に、新たな描き下ろしを加えて映画化したアニメーション。監督のエリック・クーが“辰巳センセイ”への愛を語る。

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辰巳のマンガは、大人のためのストーリーマンガであり、それまでのマンガと一線を画すために彼は自らのスタイルを“劇画”と称した。彼の世界に20年前に初めて触れ、本作を手掛けたのは、日本人ではなくシンガポールのエリック・クー監督だった。「2011年に完成した本作は、ヨーロッパやアメリカ、アジアの多くの国々で公開済みです。日本では東京国際映画祭での上映はありましたけれど、劇場公開はなく、正直、どうしてなんだ~!とじりじりした気持ちでいました(笑)。今回、こうして上映が決まり、喜びでいっぱいです。辰巳センセイはヨーロッパやアメリカのコミック店では、手塚治虫氏や水木しげる氏の隣に置かれている方なんですよ」。

辰巳の半生を表すため、監督は初のアニメに挑んだ。「27名のアニメーション・アーティストを起用し、辰巳センセイの作品を模倣できる程のレベルに達してもらいました。苦慮したのは、いまだかつてないアニメに仕上げることです。辰巳センセイが、それまでのマンガになかった“劇画”という分野を生み出したのと同じように、動き方やトーンなど、私も既存のアニメとは違う作品にしたかったのです」。

“劇画”の深さと辰巳自身の魅力がしっかりと伝わってくる本作。最後に監督はこんなエピソードを教えてくれた。「センセイは映画が大好きで、ご自身で作りたかったほど。カンヌ映画祭に呼ばれてレッドカーペットを歩いた時、センセイが私の手をぐっと掴んだんです。この映画でセンセイの夢の一部を叶えられたのかなという気持ちになりましたね」。

『TATSUMI マンガに革命を起こした男』
11月15日(土)角川シネマ新宿ほか全国公開

取材・文・写真:望月ふみ

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