喫煙によって会話の内容や流れや上手く取り繕い、自分の気持ちを隠したりもできる


たばこを吸うことで他者の注意をそらす、あるいは、そのときの話題を自分の思う方向へとシフトさせることが出来るという意見もある。

これはたばこが生活のアクセントでもあり、”吸う”行為が”喋る”場では特異に見えることに由来していそうだ。吸うタイミングや場所を考慮し、たばこを巧く使えば、文字通りその場を”煙に巻く”ことも出来るのかもしれない。

 

  

ただし、喫煙者なら誰でもいいコミュニケーションが取れるというわけではない。


「喫煙者がもっとも嫌うのはマナーを守らないスモーカーたち」と前記の柿本教授もいうように、マイノリティという自意識がそう思わせるのか、社会の常識に反した行為や、他者に失礼にあたる行為をする人たちには被喫煙者よりも手厳しい傾向にあるようだ。

ちなみに、海外でよく言われるのが、日本人の喫煙マナーのよさ。多くの人がマイ灰皿を持ち歩いているからだ。

喫煙マナーの重要性は、たばこを楽しみたい人たちが誰よりもわかっているということになりそうである。

わたなべ・まき SFビジュアル誌の編集を経てフリーに。得意分野はSF&ファンタジー系。ティム・バートンとピーター・ジャクソンをこよなく愛する。現在は「TVブロス」「SFマガジン」等で執筆中。