Pavilion Gaming 15

日本HPは7月12日、「HP Pavilion Gaming 15」などゲーミングPCの新製品を発表した。同社では「OMEN by HP」のブランドでプロゲーマー向けPCを展開しているが、それに対してPavilion Gamingブランドでは装飾を控えめにしたデザインのきょう体を採用し、動画編集などコンテンツ制作需要の取り込みもねらう。一部機種は同日より直販サイトで販売を開始し、8月中旬以降、同社製品を取り扱う量販店での商品展開も行う。そのほか、OMENブランドのゲーミングノートPCや、ソフトウェアの新機能を発表した。

ノート、デスクトップ両方でPavilion Gamingブランドを展開

Pavilion Gamingブランドの製品として、15型ノートPCのHP Pavilion Gaming 15の1機種をはじめ、デスクトップPC「HP Pavilion Gaming Desktop」シリーズ「690」「790」の2機種、合わせて3機種に加えて、ゲーマー向け液晶ディスプレイ「HP Pavilion Gaming 32 HDRディスプレイ」を用意。

主力製品のHP Pavilion Gaming 15は、スタンダードモデルからクリエイターモデルまで四つのバリエーションを用意。GPUにNVIDIAの「GeForce GTX 1050」もしくは「GeForce GTX 1050 Ti」を搭載するほか、すべてのモデルでインテルのOptaneメモリまたはSSDを搭載し、それとは別に1TBのHDDも備える「メモリ+HDD」のデュアルストレージ構成とした。最上位のクリエイターモデルは4K(3840×2160ドット)ディスプレイを採用している。価格はモデルによって異なるが、税別で10万9800円から16万9800円に設定している。

HP Pavilion Gaming Desktop 790は6コアCPUのCore i7-8700を搭載し、将来的なHDDの追加や上位グラフィックスボードへの交換も想定したモデル。価格は税別で18万8000円から。HP Pavilion Gaming Desktop 690は一回り小さいきょう体を採用し、CPUはAMDのRyzen、グラフィックスボードもAMDのRadeon RX580を採用している。価格は税別で14万3000円から。

OMENブランドでは、15型ゲーミングノートPC「OMEN by HP 15」の2018年モデルを発表。2017年モデルに比べて小型化を図りながら、冷却性能を強化したことに加えて高負荷時にも高い性能を長時間発揮できるようにした。価格は税別で19万9800円から。また、付属ソフト「OMENコマンドセンター」に画面のストリーミング機能が追加され、OMEN上で実行するゲームソフトを他のPCからネットワーク経由でプレーできるようになった。この機能はすでに発売されているOMEN製品にも提供される。

高性能ながらシンプルなデザインで、ユーザー層の裾野を広げる

日本HPでコンシューマー向け事業を統括する岡戸伸樹常務は、OMENと並行してPavilion Gamingのブランドを展開することについて「二つのブランドを並べると、片方が妥協した製品と思われがちだが、スペックに関しては一切妥協していない。AAA(トリプルエー、世界的にヒットした大作)タイトルがきちんとプレーできる仕様になっている」と説明。Pavilion GamingはOMENの廉価版ではなく、さまざまなゲームを快適に楽しめる性能をもちながら、OEMNとは異なるユーザーをターゲットにしたブランドだと強調した。

OMEN製品は赤色のLEDで彩られた強烈なデザインのきょう体が特徴だが、同社サポートセンターには時々「LEDを消す方法はないのか」という問い合わせが寄せられるといい、高い性能を必要としながらも、いわゆるゲーミングPCらしいデザインではなく、より落ち着いたイメージのPCを求める層が存在することが確認されている。OMENが、プロゲーマーやプロを目指すプレーヤーといった、「エンスージアスト層」「パフォーマー層」に向けられているのに対し、Pavilion Gamingはゲームをより身近に楽しみたい「メインストリーム層」、イラスト作成や写真・動画の編集などを行うクリエイターの取り込みを目的にしている。