柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS 柏木陽介(浦和レッズ) (C)J.LEAGUE PHOTOS

J1優勝争いがいよいよ天王山を迎える。11月22日(土)・埼玉スタジアム2002で浦和レッズが勝てば8年ぶり2度目の優勝が決定するのだ。対するは勝点5差で2位につけるガンバ大阪である。G大阪にとって負けは許されない厳しい戦いとなるが、アドバンテージもある。

浦和×G大阪の対戦成績は18勝8分19敗とほぼ互角だが、埼玉スタジアムでのゲームに限って見ると、3勝4分1敗とG大阪が優勢だ。何より、G大阪は11月8日に『ナビスコカップ』を制している。2-0とサンフレッチェ広島にリードを許しながら、パトリックの2ゴール、大森晃太郎の決勝弾で逆転戴冠を果たした勢いがある。事実、長谷川健太監督も試合後、「今日ひとつタイトルを取ったことで選手も気持ちが楽と言うか、無冠だと非常にプレッシャーになったと思うので、いい形で浦和戦に臨めると思う」と語っている。確かにカップ戦の追い風、逆風は存在する。昨年『ナビスコ杯』決勝で敗れ、その後リーグ戦は1分3敗に終わり、優勝戦線から脱落したことは浦和サポーターの記憶に新しいだろう。

2週間空いたG大阪の調整期間はMF・遠藤保仁&今野泰幸、GK・東口順昭が日本代表で不在だった。戦術を詰められなかったのはクラブとしてプラスにならなかったが、日本代表が2試合とも勝利するとともに、遠藤と今野はゴールを決めるなど、気分良くチームに合流している。

G大阪戦に3週間を費やすことができた浦和としては、引き分けでもOKと思えるか否かが鍵となる。「絶対に勝つ!」「今回優勝を決める!」という強い気持ちは、時として多大な重圧になることがある。ただ、今季のペトロヴィッチ監督の采配を見れば、その不安は杞憂に終わるだろう。第30節・鹿島アントラーズ戦で指揮官は1-1で試合を終わらせた。試合後、G大阪とのポイント差が3になったことを問われた監督は、「サッカーにおいては決して慌てるポイント差ではない」と明言した。指揮官も選手たちも、大人のサッカーを具現化しつつある。

首位・浦和に勝点7差の3位・鹿島、8差の4位・サガン鳥栖も優勝の可能性を残す。奇跡の大逆転を果たすためにも、5位・川崎フロンターレをホームで迎え撃つ鹿島、最下位・ヴォルティス徳島の本拠地に乗り込む鳥栖は、とにかく勝点3を積み上げるのみ。

浦和が満員に膨れ上がったサポーターの声援を受け歓喜の瞬間を迎えるのか、G大阪が待ったをかけ3冠達成に可能性を残すのか。はたまた、鹿島、鳥栖も優勝戦線に踏みとどまるのか。J1リーグ第32節は11月22日(土)キックオフ。浦和×G大阪・埼玉スタジアム2002のチケットは完売。鹿島×川崎F・茨城県立カシマサッカースタジアム、徳島×鳥栖・鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムのチケットは発売中。