咖哩飯(880円・税込)

そして数ある逸品料理の中でも、お品書きには載っていない裏メニューとして(密かに?)知られているのが、こちらの「咖哩飯(カレーライス)」である。

「実は昨年、たまたま当店を訪れた新聞社の方が『中華街の老舗でカレーが食べられる』と記事に取り上げてくださったんです。それから次第に中華街のカレーがクローズアップされるようになり、最近のブームにつながったのではないでしょうか」とマネージャーの齋木真二さんは話す。
  

中華街コンシェルジュも務める同店マネージャーの齋木さん

この咖哩飯は50年以上前に誕生したまかないのカレーで、常連さんのリクエストで提供するようになったという。当時から基本的なレシピは変わっておらず、具材はシンプルにタマネギと豚肉のみ。「特徴をひと言で言えば“そば屋さんのカレーの中華版”といったところでしょうか」と齋木さん。

また、「カレーに排骨(豚肉のスペアリブ)をトッピングして」というお客さんからのリクエストで、5年ほど前からは「排骨咖哩(パイコーカレー)」も裏メニューに追加。咖哩飯にカラッと揚げた排骨をたっぷり乗せたボリューム満点の一品だ。

 
排骨咖哩(990円・税込)

ということで、今回はガッツリ食べ応えのある排骨咖哩をオーダー。いただく前に「どうせなら作っている所も見てみたい」とお願いしたところ、齋木さんのはからいで厨房取材もOKに! さっそく厨房にお邪魔して、調理の様子を間近で見学させていただいた。

 

排骨咖哩が出来上がるまで

では、ちょっとキニナル調理レポートからスタート。

カレーを作ってくださるのはチーフの今井さん。

同店のカレーは具材を煮込まずに仕上げているのが特徴。カレーソースは作り置きせず、オーダーがあるたびに1人前ずつ作っている。

「味の決め手となるのがウスターソース。ソースにはいろんな調味料が入っているから、味に深みが出るんだよ。あとは、砂糖を少し多めに入れることかな」と今井チーフ。

カレーの具材は豚肉とタマネギのみ
カレーの風味を付けたトッピング用の排骨
 
 
 

まずは排骨を油に投入。生の骨付き肉なので、7~8分かけてじっくりと揚げる。
排骨を揚げている間に、油通しした豚肉とタマネギをサッと炒め、カレー粉などの調味料を加えてよくかき混ぜ、全体が馴染んでトロミがついたら出来上がり。

カレーソースが出来上がるまで約3分。カレーは何時間も煮込むというイメージがあるが、その常識をくつがえす驚きの早業である。

そして、カレーソースが出来上がったタイミングで排骨も揚げ上がり、いよいよ最後の仕上げに。

 

 
 

カラッと揚がった排骨を食べやすい大きさにカット。サクッサクッといい音~。
ご飯の上に排骨をトッピングして、片側にカレーソースを盛り付ければ完成!
見ているだけで、もうたまりません。