2種類の絶品カレーを食べ比べ!

こうして、あっという間に完成した2種類のカレーは、上階の厨房からダムウェーター(小型エレベーター)で下階の客席フロアへ。出来立ての熱々カレーが、さっそくテーブルに運ばれてきた。

ではでは、いただきます!! 

まずは、鶏肉の中華カレーライスか。

鶏肉のカレーは、優しい塩味でとても上品な味わい。程よい食感のタマネギとプリッとした鶏肉の歯応えが心地よく、それぞれの素材の滋味がしっかりと感じられる。

あっさりしているのに深いコクがあるのは、やはり特製の鶏ガラスープを使っているからだろう。

 
 

お次は、牛ヒレ肉の中華カレーライス。

こちらの牛ヒレ肉のカレーは、ほんのり醤油味のどこか懐かしい味わい。辛さはないが、鶏肉のカレーと比べるとちょっぴりコショウが効いている感じ。

甘みたっぷりのタマネギと、柔らかくてジューシーな牛ヒレ肉のコンビネーションは、まさに「絶妙!」のひと言。何にも増して、この牛ヒレ肉の美味しさは半端ではない。グルメな山岸もご満悦の様子。
 

完食しつつも名残惜しそうな小島

どちらのカレーも素材がシンプルだからこそ、その旨みが存分に発揮されている。素材の持ち味を引き立てるソースは、親しみのある優しい味わいで、子どもからお年寄りまで楽しめそうだ。

実は筆者、以前からこちらのカレーのファンなのだが、何度食べても食べ飽きず、食べるたびにホッとできる絶品カレーだとあらためて実感した。

ちなみに、同店ではコース料理を予約すると、シメのご飯物をカレーに替えたり、お好みの料理にアレンジすることも可能だそう。「ご希望があればできる限りお応えいたしますので、ぜひ気軽にご相談くださいね」と王子さん。

と、ここで・・・ご馳走さまの前に、王子さんから「デザートはいかが?」と思いがけないスペシャルサービスが!! テーブルに運ばれてきたのは、王子さんがレシピを考案した同店オリジナルの手づくりデザート「そのまんまアンニンドウフ」と「マンゴープリン」。ありがたく頂戴いたします!

そのまんまアンニンドウフ(500円・税別)
マンゴープリン(500円・税別)
 

そのまんまアンニンドウフは、その名の通り、器に入れたままではないと提供できないほどフルフルでトロトロ。そっと一さじすくって口に運ぶと、そのままトロ~~リと溶けてしまうほど。

 

トロ~リとした口どけにうっとり
マンゴーの果肉がたっぷり入った贅沢デザート
 

マンゴープリンもプルプルの優しい口どけで、中にはフレッシュなマンゴーの果肉がたっぷり。思わず「幸せ~」と笑みがこぼれる至福の一品だ。

カレーの後のスイーツは、言うまでもなく最高であった。こうして、2種類のカレーを試食させていただいた上に、食後のデザートまで頂戴し、お腹も心もたっぷり満たされた取材班。あらためて、大変大変ご馳走さまでした!

 

取材を終えて

誕生から半世紀を経た今、中華街カレーブームの先駆けとして注目されることになった「同發本館」と「北京飯店」のカレー。その“意外性”とともに、カレーがここまでブームになったのは、日本人の食の嗜好にピタリと合致したからではないだろうか。

大人から子どもまで、日本人にとってカレーライスは、国民食といわれるほど親しみ深いメニューのひとつ。そんな日本の食文化を一工夫して取り入れる、中華街ならではの懐の広さと柔軟性を感じた。そして、両店をはじめとする中華街のカレーが単なるブームで終わることなく、多くの人たちにいつまでも愛され続けてほしいと願っている。


同發本館
住所/横浜市中区山下町148
TEL/045-681-7273
みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩3分
営業時間/11:00~21:30(ラストオーダー20:30)
※定休日は問い合わせを
URL/http://www.douhatsu.co.jp/

北京飯店
住所/横浜市中区山下町79-5
TEL/045-681-3535
みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩1分
営業時間/11:30~23:00(ラストオーダー22:00、年中無休)
URL/http://pekinghanten.com/

 ※本記事は2014年11月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。