スペースリンク GP212A

通勤や通学、食事、就寝前など一日のなかで何度も確認するかけ時計。家族みんなの行動の基準になるので、正確な時間を刻み続けることがなによりも重要だ。時計が正しい時刻を示すことは、日々の生活の安心感につながる。約束の時間に間に合うように余裕をもって家を出発できるし、反対に、遅刻しそうなときでも予定時刻に間に合うか逆算することができる。「家のどこにいても、常に正しい時刻を知りたい」、そんな人にぴったりのかけ時計が、セイコークロックの衛星電波時計「スペースリンク」だ。

電波を受信して正しい時刻を表示するという点では、現在最も普及している電波時計と同じだが、従来の電波時計には、設置場所によっては時刻を正しく受信できないという弱点がある。衛星電波時計「スペースリンク」は、設置場所だけでなく電波時計がもつあらゆる弱点を克服。より確実な時刻表示で、生活に安心をもたらしてくれる。では、従来の電波時計と衛星電波時計は、どのように違うのだろうか。具体的にみていこう。

●宇宙からの電波を安定して受信する衛星電波時計

電波時計と衛星電波時計の根本的な違いは、時刻の修正に利用する電波の種類だ。電波時計は、福島県(福島県大鷹鳥谷山)と九州(福岡県と佐賀県の県境にある羽金山)の2か所の電波送信所が発信する「標準電波」によって、時刻を正確に合わせる。これに対して衛星電波時計は、カーナビやスマートフォンなどで利用するGPS衛星の電波を受信する。

衛星電波時計には、標準の電波時計に比べて、さまざまな利点がある。まず、電波の到達距離が長いということ。標準電波を利用する電波時計は、窓から約3mの距離までしか電波が届かないので、窓や玄関から離れたリビングルームの奥や寝室に設置すると、電波が届かないことがある。これに対して、衛星電波時計の電波到達距離は、電波時計の5倍の約15m。一般家庭なら、家のほとんどの場所で正しい時刻を得ることができる。

ノイズから受ける影響にも、大きな差がある。標準電波はノイズの影響を受けやすく、PCやスマートフォン、エアコン、無線LANルータ、液晶テレビ、電子レンジなど、ノイズを発生する機器が多い現代の家庭では、電波を正しく受信できないことがある。交通量の多い道路の側にある家だと、家のなかだけでなく、トラックやタクシーが発する無線通信の電波を誤ってキャッチするケースもある。一方、衛星電波時計はノイズの影響を受けにくく、近くに電化製品があっても、クルマが頻繁に行き交う道路際に住んでいても、衛星電波を受信することができるのだ。

さらに、衛星電波時計は、電波を受信して時刻を修正するまでにかかる時間も短い。従来の電波時計が最短でも240秒(4分)かかるところを、衛星電波時計なら最短10秒。時刻合わせにかかる時間が少ないのも、衛星電波時計ならではだ。

●正しい時刻に即座に修正! ストレスフリーの衛星電波時計

実際に、衛星電波時計「スペースリンク」と標準電波を利用する電波時計を使用して、時刻修正にかかるまでの時間を比較した。使用したのは、衛星電波時計「GP212A」と従来の電波時計「KX373A」。どちらもセイコークロック製のかけ時計だ。電波の受信を妨げる遮蔽物が多いオフィスで実験するので、電波をキャッチしやすい窓際に設置した。

同じ時刻で針をあわせ、時計が停止した状態からスタート。どちらもリセットボタンを押すと、電波の受信を開始する仕組みだ。「KX373A」は、すぐに秒針が動き出したが、これはまだ電波を受信する前の段階。電波時計は、受信の準備をするために、まず長針と短針が受信に適した所定の位置に移動する

一方、「GP212A」は、実験開始から35秒で秒針が始動。電波時計と異なり、衛星電波時計はこの段階で電波の受信を完了している。秒針が一周すると、長針が勢いよく動き出した。

「GP212A」が正しい時刻を表示したタイミングでも、「KX373A」は、まだ電波をキャッチできていない。受信ができる特定時刻を示したまま、停止している。受信状態が悪いことを示す赤い信号が点滅し続けていた「KX373A」は、しばらくすると、正確な時刻(3時12分)に近い「3時10分」を示した状態で秒針が動き出したが、この表示時刻はあくまで電波を受信するための所定位置。時刻情報をキャッチすることなく、動き出してしまったことになる。

電波の受信環境があまりよくないオフィスで実験したこともあり、残念ながら、「KX373A」では時刻を正しく修正することができなかった。一方、「GP212A」は、そんな環境下でもしっかりと電波をキャッチ。日常生活のなかでは大した影響はないと思われがちな電波の受信成功率や受信速度だが、長い間に使用するものだからこそ、余計な不安と時間が生じることはデメリットだ。ストレスフリーで正確な時刻を表示することができるメリットは大きい。

●価格がこなれてきた「スペースリンク」、家庭になじむデザインの新モデルも登場

世界初の家庭向け衛星電波時計として、2014年2月に登場した「スペースリンク」。当時の3モデルは、最先端のテクノロジーを搭載したかけ時計だけに、技術に関心が高いユーザーをひきつけるエッジの効いたデザインを採用していた。

11月にリリースする新モデルは、これまでのデザインから印象をがらりと転換。白を基調としたシンプルなデザインや、木目調がやさしい印象を与えるデザインなど、家庭のインテリアに合わせて選択できるモデルをラインアップした。

家庭に「時間が正確」という安心感をもたらす衛星電波時計は、自宅で家族のマスタークロックとして使うだけでなく、結婚祝いや新築祝いなど、多少は高価でもいいものをプレゼントしたいときにも最適。住環境に左右されない安定感をもつので、贈る相手がどこに住んでいても安心だ。また、セイコークロックは「スペースリンク」購入者が対象となる「Wチャンスキャンペーン」を、12月1日から4月13日まで期間限定で開催。応募者全員に「QUOカード500円分」が、抽選で掃除機や音楽プレーヤーが当たる。新生活を始めようとしている人は、このチャンスに新居に置くかけ時計として検討してみよう。(ライター・星政明)