もうすぐ1周年を迎える「au HOME」。ユーザー獲得の進捗と今後の戦略は?

2017年7月31日にサービスを開始したホームIoTサービス「au HOME」が、1周年を前に機能強化とIoTデバイスの拡充を発表した。IoTを通信に次ぐ事業に成長させるべく、キャリアならではの使い勝手のよさと導入のしやすさを改めてアピールしていく。

「au HOME」ならではの機能で魅力がアップ

「au HOME」のコンセプトは「誰でも手軽に始められる」ということにある。従来のホームIoTは費用が高額であったり、設置に制約があったりと導入のハードルが高かった。「au HOME」はIoTホームの頭脳となるスマートフォン用アプリ「au HOMEアプリ」と手ごろな価格のデバイスを用意することで、一般の顧客でも使いやすいホームIoT環境の構築をサポートする。

分割で端末代と通信料をまとめて支払う、キャリアならではの料金体系をそのまま適用していることも特徴だ。IoTデバイスのセットを24か月の分割で支払う月額980円のプランで、初期費用の負担を軽減。通信料に少し上乗せすれば、ホームIoTをすぐに導入できるようにした。

開始当初はマルチセンサやネットワークカメラとアプリを連携した見守りやドアの鍵、窓の開閉状況を確認することで防犯などの用途に限定されていたが、11月からスマートスピーカー「Google Home」に対応し、活用シーンが拡大。提供するIoTデバイスと「Google Home」を連携させた家電の操作などが可能になった。

今回のアップデートは「Google Homeの連携強化」「センサと赤外線リモコンの連動」「IoTデバイスの拡充」「新セットプランの提供」「対応スマートスピーカーの拡大」。目玉となるのは、手元にスマホがなくてもGoogle Homeに声をかけるだけでメッセージが送信できるコミュニケーション機能だ。これまでの機能は、デバイスさえ揃えれば別に「au HOME」でなくても構築が可能だったが、今回のコミュニケーション機能はau HOME独自の機能となる。

Amazon Alexa対応も大きなトピックだ。「au HOME」はスマートスピーカーとのセットプランを提供しておらず、すでにAlexa搭載のスマートスピーカーを所有しているユーザーにとっては対象外のサービスだった。Alexaユーザーを取り込むことで、ターゲットは広がる。

スマートスピーカーの飽きを解消するきっかけになるか

キャリアの新たなビジネスモデルとして挑戦的な「au HOME」だが、サービス開始当初はユーザーの獲得に苦戦した。興味の薄い層には必要性が感じられず、関心が高い層は物足りなく感じる。キャリアショップではデモンストレーションも簡易的なものしか実施できず、訴求手段も限定された。

そうしたなか、販売に結びつき始めたのが家電量販店だ。KDDIのホームIoT企画部 サービス企画1G 菅原弘晃マネージャーは「家電量販店のIoTコーナーなどで実際に機能を体験して、ホームIoTの利便性を認識するお客さまは多い」と、訴求が順調な理由を語る。

現在の家電量販店のIoTコーナーは一昔前より拡張し、さながらモデルルームのような装いの売り場もある。個別の商品より、パッケージになった「au HOME」を紹介するほうが説明はしやすいということもあるだろう。

スマートスピーカー自体がすでに飽きられ始めているとの指摘もあるが、菅原マネージャーは「au HOMEによって“こんな使い方ができるのか”と再度スマートスピーカーを活用していただけるのではないか」語る。

「au HOME」をパートナー企業と共同で企画・開発するコラボレーション型のホームIoTサービス「with HOME」も、7月19日にビックカメラ、8月7日に静岡ガスがパートナーに加わる。パッケージのブラッシュアップだけでなく、業界・業種の垣根を越えた連携でIoTの浸透を図っていく。まだ手探りの段階にあるものの、今後の広がりに期待したい。(BCN・大蔵 大輔)

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